2021 Fiscal Year Annual Research Report
The intervention using the open dialog in the acute phase of schizophrenia
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17K19803
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金田 礼三 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40456413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 ゆひ 金沢大学, 保健学系, 助教 (00749137)
長澤 達也 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10334773)
村松 朋子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 准教授 (20633118)
橋本 隆紀 金沢大学, 医学系, 准教授 (40249959)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Keywords | 対話 / オープンダイアローグ / 安全性 / 安心感 / 自発性 / 世界観 / システム / 薬物療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
急性期の精神症状に対してオープンダイアローグを用いた介入試験を行う予定であったが、臨床試験として実施することは、長時間、複数人での会合を繰り返すため、今回のコロナ禍の期間においては困難であった。 コロナ禍前に予備的に行っていた、通院中の方とその家族及び、医療スタッフ複数人での、オープンダイアローグの手法を用いた話し合いの場では、対話を繰り返すことにより、参加者の自発性が促される印象があった。参加者が対等に自分の思いや、興味のあることを語り、それぞれの話が無視されたり否定されたりせずに受け止められていく中で、安心感が育まれることが、自発性につながるのではないかと考えられた。自発的な活動についての話が増えていくとともに、精神症状についての訴えは減少、もしくはみられなくなる場合があった。また、全体を通して安全に施行することが可能であった。 予備的な施行から言えることとして、本人及び家族が求める場合において、精神科医療にオープンダイアローグを用いた介入をしていくことは可能であり、安全に施行できると考えられた。今後、急性期の精神症状について複数人で対話的に対応するシステムを確立することができれば、結果として、薬物療法の行われる頻度を減少させ、薬物療法に伴う様々な問題を減少させる可能性があると考えられた。 オープンダイアローグの世界観を共有していく中で、介入する医療者側にも自発性が育まれ、薬物療法以外の選択肢も考えやすくなるなどの変化が促されると実感された。
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