2018 Fiscal Year Research-status Report
Neural mechanism for recurring of abuse
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17K19922
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
西 真弓 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40295639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 謹子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80433332)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 記憶の痕跡 / 光遺伝学 / 幼児虐待 / c-fos遺伝子プロモーター / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、幼児虐待の発生件数が急増し、深刻な社会問題となっている。虐待など幼少期養育環境の劣悪化によるストレスが、成長後の脳の機能・構造に重大かつ継続的な問題を引き起こすことが報告されている。しかし、幼少期のストレスが脳のどの部位に記憶の痕跡として残され、生涯にわたって行動に影響を及ぼすのかは未だ解明されていない。本研究では、幼児虐待の動物モデルの一つである母子分離マウスを用い、幼少期の母子分離ストレスによって活性化する神経細胞を非可逆的にラベルし、成体において母子分離記憶の痕跡をオプトジェネテイクスを用いて再活性化することにより、母子分離記憶を想起することが出来るかを検討する。そして「虐待は繰り返される」という概念の分子基盤を明らかにし、劣悪な幼少期養育環境が精神神経疾患等を引き起こすメカニズムの解明、さらに生育後の精神神経疾患の予防・治療法の開発を目指す。平成29年度は c-fos遺伝子プロモーターの下流でtetracycline transactivator (tTA)を発現するTgマウス(Jackson研究所:Stock Number:008344)を連携研究者・林から供与を受け、tetracycline response element (TRE)プロモータ制御下でCreリコンビネースを発現するTgマウス(RBRC05563)を理研バイオリソースセンターから購入し、交配させてc-fos promoter-tTA-TRE-Creマウスの作製を試みた。現在母子分離を行い、c-Fosの免疫組織化学で見られたのと同じ領域でtTA、Creの発現が見られるかの検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の概要のところで示したマウスを用いて母子分離を行い、c-Fosの免疫組織化学で見られたのと同じ領域でtTA、Creの発現が見られるかの検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
CreリコンビネースによってloxPに挟まれたStopコドンがはずれ、ChR2-mCherryが発現するコンストラクトをRosa26遺伝子座にノックインしたTgマウス(RBRC05158)を理研バイオリソースセンターから入手し、上記のマウスと交配させる。テトラサイクリン類似化合物のドキシサイクリン(Dox)オフの状態においてc-fos遺伝子プロモーター制御下でChR2-mCherryを非可逆的に発現するTgマウスを作製する。予め、Doxオン/オフによってc-fos遺伝子の発現が調節されるかについて、マウスに急性拘束ストレスを負荷し、c-fosが顕著に増強することがわかっている視床下部の室傍核において、mCherryを指標にして検討する。また、このTgマウス作製と並行して、母子分離を経験した雌マウスを野生型の雄と交配させ、母子分離を経験したマウスが母親になった際の養育行動(仔運び、巣作り、licking等の行動)を解析し、「虐待は繰り返す」かについて検討する。
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Causes of Carryover |
予定していた研究補助員が当該年度内に着任することが不可能になり、次年度からの着任になったため、その謝金に相当する金額を繰り越したため。
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[Journal Article] Multiple animal positioning system shows that socially-reared mice influence the social proximity of isolation-reared cagemates.2018
Author(s)
Endo N, Ujita W, Fujiwara T, Miyauchi H, Mishima H, Makino Y, Hashimoto L, Oyama, H, Makinodan M, Nishi M, Tohyama C, Kakeyama M*
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Journal Title
Communications Biology
Volume: 1
Pages: 225
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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