2019 Fiscal Year Research-status Report
Integrated multimodal imaging of brain and muscle activities with PET/MR
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17K20083
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田代 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00333477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 敏彦 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (00229048)
久保 均 福島県立医科大学, 新医療系学部設置室, 教授 (00325292)
伊藤 浩 福島県立医科大学, 医学部放射線科, 教授 (20360357)
渡部 浩司 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (40280820)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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Keywords | PET/MR / 骨格筋活動 / 下腿 / 運動 / ブドウ糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、当初6名の健常被験者を対象として、書字課題負荷による右前腕および手部の筋活動をFDG-PET/MR装置を用いて測定した。付随データとして、書字課題遂行時の指圧力および代表的な筋の筋電図も測定した。次に、4名を対象として、指タッピング課題負荷による右前腕および手部の筋活動も測定した。解析の結果、前腕および手部の各筋の活動を画像化できることが確認できた。また、FDG-PET/MRの画像データで書字課題負荷時と指タッピング課題に特異的な所見が観察できることが確認できた。また、FDG-PET/MRが微細な筋の活動の観察に有用であることを確認した。 次に、追加測定にて「PET/MRのMRS測定とPET測定が同時に実施できる」という利点を最大限に生かして、健常者の下肢骨格筋を測定対象として、運動負荷時の筋代謝物濃度とブドウ糖取り込みの関係性を検証する予備測定を実施した。健常男性を対象としてFDGをトレーサーとしたPET測定を行えば、安静時と運動時の骨格筋および脳のブドウ糖代謝の差異を計測できる。同時に、MR装置を用いてMRS測定を行い、筋組織中のカルノシン濃度を推定すれば、速筋と遅筋の割合を推定して筋組成を評価することができる。これらFDG-PETとMRSの情報を組み合わせて、筋組成とブドウ糖代謝の関係性を明らかにすることができると期待されていた。さらに、脳においても既知の種々の代謝物濃度の測定を安静時と運動時とで比較して、運動に伴う脳内代謝物変化とブドウ糖消費の変化との関係性を明らかにすることを目指した。 予備的測定の結果、測定が可能であることが示され、運動負荷として「カーフレイズ」や「その場駆け足」の負荷が有意義であることが確認された。しかしながら、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響等により活動停止となり、本格的な測定は2020年度に延期となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 本研究においては、追加測定の準備に長時間を要した結果、東北大学の倫理委員会の承認を得る段階と福島県立医科大学の施設利用承認を得るのに非常に長い時間がかかってしまった。その結果、福島県立医大における測定開始が大幅に遅れてしまった。 2020年3月と4月に全測定を行う計画を立案して予備測定を数回実施することができたものの、その後は、新型コロナウイルス感染症流行の影響で、2020年3月と4月に予定されていた測定が中止または延期となってしまい、本格的なデータ収集ができなくなってしまったため、進捗が遅れている。残っている予算を投入して、施設の制限の範囲内でできるだけの測定を実施して本研究をまとめたい。
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Strategy for Future Research Activity |
追加研究では、「PET/MRのMRS特定とPET測定が同時に実施できる」利点を最大限に生かして、健常者を対象として、下肢骨格筋の運動時の代謝物測定(おもにカルノシン濃度の測定)とブドウ糖取り込みの関係性を検証する予備測定を計画している。予備的プロトコルとして、カーフレイズ運動とその場ランニングの課題が有意義であることが確認できているので、その運動負荷条件での変化を測定したい。2019年度の測定は新型コロナウイルス感染症流行の影響で活動停止となってしまい、本格的な測定は2020年度に延期となった。 測定内容としては、健常男性を対象として、FDGをトレーサーとしたPET測定を行い、安静時と運動時の下腿部骨格筋および脳のブドウ糖代謝を測定することを目指す。加えて、MR装置を用いてPET測定と同時にMRS測定を行い、筋組織中のカルノシン濃度を推定し、そのデータから速筋と遅筋の割合を推定して筋組成の評価を行う。 PETとMRSの情報を組み合わせて、筋組成とブドウ糖代謝の関係性を明らかにすることを目指す。さらに、脳においても既知の種々の代謝物濃度の測定を安静時と運動時とで行い、運動にともなう脳内代謝物変化とブドウ糖消費の変化との関係性を明らかにする。 そして、上記の筋組成とブドウ糖消費の関係を、①運動習慣のない若年者、②運動習慣のある若年者間で比較することを最終的な目標とする。
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Causes of Carryover |
追加プロトコールの実施に関して、代表者の東北大および実施場所の福島医大の倫理審査に予想以上の時間を要した。また、分担者の久保教授が福島医大新医療系学部設置準備室代表のため業務で拘束される日が続き、PET/MR装置の基礎測定に着手できず、予備測定開始まで時間がかかった。そのため、年度内に計画していた測定のごく一部しか実施することができず、残りの測定は翌年度に実施せざるをえなくなった。残りの測定は2020年4月中に実施する計画を一度立てて、被験者も確保していたが、新型コロナウイルス感染症拡大の時期と重なってしまい、福島県立医大において健常者を対象とした臨床研究の実施が困難となってしまった。そのため、追加測定のスケジュールは今後の状況をみながら検討することとなっている。
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[Journal Article] Longitudinal changes in 18F-THK5351 positron emission tomography in corticobasal syndrome.2019
Author(s)
Ezura M, Kikuchi A, Ishiki A, Okamura N, Hasegawa T, Harada R, Watanuki S, Funaki Y, Hiraoka K, Baba T, Sugeno N, Oshima R, Yoshida S, Kobayashi J, Kobayashi M, Tano O, Nakashima I, Mugikura S, Iwata R, Taki Y, Furukawa K, Arai H, Furumoto S, Tashiro M, Yanai K, Kudo Y, Takeda A, Aoki M.
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Journal Title
Eur J Neurol.
Volume: 26
Pages: 1205-1211
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Nuclear medicine practice in Japan: a report of the eighth nationwide survey in 2017.2019
Author(s)
Nishiyama Y, Kinuya S, Kato T, Kayano D, Sato S, Tashiro M, Tatsumi M, Hashimoto T, Baba S, Hirata K, Yoshimura M, Yoneyama H.
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Journal Title
Ann Nucl Med.
Volume: 33
Pages: 725-732
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Effects of antihistamines on regional glucose metabolic changes in human prefrontal cortex during cognitive tasks2019
Author(s)
Nobuya Suzuki, Asuka Kikuchi, Akie Inami, Fairuz Binti Mohammadi Nasir, Attayeb Mohsen, Shoichi Watanuki, Masayasu Miyake, Kazuko Takeda, Kotaro Hiraoka, Kazuhiko Yanai, Hiroshi Watabe, Manabu Tashiro.
Organizer
NEURO2019(第42回日本神経科学大会)
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