2018 Fiscal Year Research-status Report
Pioneering the state of the art in the Greenland ice sheet climate system study
Project/Area Number |
17KK0017
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
庭野 匡思 気象庁気象研究所, 気候研究部, 主任研究官 (10515026)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | グリーンランド氷床 / 表面質量収支 / 極域気候モデル / NHM-SMAP / 数値モデリング / 衛星リモートセンシング / 極地雪氷観測 / 海水準変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の急激なグリーンランド氷床(Greenland Ice Sheet; GrIS)雪氷質量損失のメカニズムを解明するために、研究代表者は基課題「次世代極域気候モデル開発と広域観測によるグリーンランド氷床質量損失メカニズム解明 (若手B; 17K12817)」において、世界最先端のスペックを有する極域気候モデルNHM-SMAPを開発した。本国際共同研究課題では、GrIS雪氷表面質量収支(Surface Mass Balance; SMB)研究の世界的権威であるデンマーク・グリーンランド地質調査所(GEUS)のJason E. Box教授の元に滞在して、NHM-SMAPが高い国際的認知度と信頼性を獲得するべく、各種研究活動に取り組む。初年度は、2018年10月9日から11月8日にかけてコペンハーゲンのGEUSに滞在し、本共同研究の立ち上げを行った。まず、NHM-SMAPによるSMB推定の更なる精度向上を目指して、NHM-SMAPモデル計算をBox教授が作成した高解像度衛星抽出雪氷面アルベドデータで制約することを試みた。計算結果を、GEUSが保有する現地観測データで検証したところ、この制約により精度が改善する場所としない場所があることが分かった。そこで、精度が改善しない場所にターゲットを絞った共同現地観測を2019年春に行うことを決めた。2019年1月17日から31日の期間には、ヤイロとヘムスダル(ノルウェー)及びコペンハーゲンに滞在して、共同現地観測実施のための情報収集とトレーニングを共同現地観測参加者全員で行った。なお、ヤイロでは、北極圏の氷床・氷河変動に関する国際ワークショップにも参加して、本国際共同研究の初期結果を口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本国際共同研究は2018年10月より開始したばかりである。研究立ち上げに無事成功したことを鑑みるとおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年春に、グリーンランド氷床におけるGEUSとの共同現地観測を行う。また、衛星データを用いてNHM-SMAPを制約する試みに関する論文を共同執筆して投稿する。GEUSでの研究滞在も予定する。
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Research Products
(3 results)