2023 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative legal examination of criminal acts against public order
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17KK0051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野澤 充 九州大学, 法学研究院, 教授 (70386811)
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Project Period (FY) |
2018 – 2023
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Keywords | ドイツ刑法 / 比較刑事法 / 刑事立法 / 刑事法制史 / 公共の平穏 / 社会法益 / 国家法益 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、基課題である「「社会の平穏を害する罪」の現代的再構築」(基盤C、課題番号16K03368)に基づいて、ドイツやオーストリアにおいて見られる「社会の平穏を害する罪」を、現代社会にふさわしい形で再構成し、日本での新たな立法提言の足掛かりとするために、とりわけドイツの刑法典各則第7章の「公共の秩序に対する犯罪行為」の章における犯罪類型について、ドイツで在外研究を行い、共同研究者であるドイツの大学教授との議論・検討を行うものである。 本来は令和2年度(2020年度)が本研究の最終年度として、平成31年度(2019年度)の在外研究の受け入れ先教員であったエアランゲン=ニュルンベルク大学のクリスチャン・イェーガー教授を日本に招いて講演を行っていただくなどの活動を予定していたが、コロナウイルスの影響により外国との往来がほぼ不可能になり、また研究代表者である野澤が先方に渡航して研究の仕上げを行うようなこともほぼできない状況に陥ってしまった。 しかし令和5年度(2023年度)において、ようやくコロナウイルス感染症が第5類感染症に移行し、海外との渡航の往来が可能となり、いよいよクリスチャン・イェーガー教授を日本に招いて共同研究を行う機運が高まった。これに基づいて、2024年3月18日に中央大学茗荷谷キャンパスで、同じく3月20日に立命館大学朱雀キャンパスで、さらに同じく3月23日に九州大学西新プラザで、それぞれクリスチャン・イェーガー教授による講演会を開催し、それに基づいての共同研究が行われた。それぞれの講演会(共同研究)において、イェーガー教授が新しい刑法学の展開につながるような挑戦的な報告を行い、それに基づいて、日本の研究者との激しい議論が行われた。本研究課題が素材とするドイツ刑法における新しい傾向も紹介され、非常に意義のある成果が得られた。
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