2018 Fiscal Year Research-status Report
「一つの中国」コンセンサスの形成と台湾ー「平和統一」に対する認識と対応
Project/Area Number |
17KK0053
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
福田 円 法政大学, 法学部, 教授 (10549497)
|
Project Period (FY) |
2018 – 2020
|
Keywords | 米中台関係 / 一つの中国 / 改革開放 / 中国外交 / 台湾政治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本国際共同研究は、国際社会において中国が中心となって「一つの中国」コンセンサスを形成した1970年代に、台湾の中華民国政府はその過程をどのように認識し、対応していったのかを分析するものである。本課題の基課題では、中国の政治外交史を軸としながら、中国が「一つの中国」コンセンサスを形成しつつ、「平和統一」の提起へと転換した過程を考証している。本課題においては、同じ過程を中華民国・台湾の視点からさらに分析し、当時の 中華民国指導部の認識や政策の一貫性と変化、台湾社会の反応などを検討する。そして、最終的には米中台関係史のアプローチで「平和統一」の時代がおとずれる背景を描くことを目標とする。そのために、中華民国・台湾史の史料が充実しているスタンフォード大学フーバー研究所に1年間滞在し、冷戦期の中華民国・台湾史を研究する共同研究者と共同研究を行う。 本年度の後半に、2020年度に渡航する見通しが立ち、予算の執行開始手続を行った。そのため、本年度の本予算の執行はないが、関連する活動として、上記の研究の全体像に関する研究報告と議論を中国や台湾の学術機関にて行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度から共同研究を本格的に開始するため、本年度は1)2019年度に開催される国際学会ICAS11(11th International Convention of Asia Scholars)へのパネルの応募、2)そこでの報告準備、3)2020年度からのスタンフォード大学フーバー研究所における訪問研究員への応募などを行った。いずれも順調に進み、学会のパネルは採択され、訪問研究員としての受け入れも決定した。また、共同研究を本格的に進めるにあたり、2019年4月に共同研究者と会合をもつ手筈も整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年7月にオランダのライデン大学にて開催されるICAS11において、冷戦期中国をめぐる国際政治史に関するパネルを組み、共同研究者を含む同分野の研究者と議論を行う。さらに、その機会を利用して、申請者はオランダとベルギーの国立公文書館における史料調査、共同研究者はイギリスの国立公文書館における史料調査を行う予定がある。その後、それぞれの所属機関にてさらに準備を整え、2020年4月から1年間、スタンフォード大学フーバー研究所における共同研究を行う。
|
Research Products
(6 results)