2018 Fiscal Year Research-status Report
The Role of U.S. Overseas Troops in General and Immediate Extended Deterrence
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17KK0076
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
籠谷 公司 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (60723195)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 同盟研究 / 抑止政策 / 在外米軍 / 国際政治理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
安全保障上の抑止問題は、紛争発生の抑止(つまり、一般抑止)と紛争激化の抑止(つまり、緊急抑止)に分けられる。国際共同研究の元となる基課題「在外米軍がもたらす抑止力の通時的分析――アメリカの同盟政策と地域の平和について」は、在外米軍の抑止力の分析を研究課題とし、挑戦国が標的国の同盟国側の情報をどのように学び、一般抑止の失敗に繋がるのかという問題を取り上げた。これまでの研究によると、在外米軍の駐留に関わる予算審議や在外米軍の配置展開から米国の決意の強さに関する情報が伝達され、一般抑止の成否を決めるという知見を得ることができた。 国際共同研究では、地域の軍事力と約束を強制する役割に焦点を当てることで、緊急抑止問題における在外米軍の抑止力を明らかにすることを目標とする。在外米軍の駐留が地域における戦闘の勝利確率を高めて軍事介入を魅力的な政策手段にすることによって約束を強制する点に注目して分析を行う。 2018年度は、2019年9月から行う在外研究の準備を行うことだけに充てた。滞在先の共同研究者と打ち合わせを行い、在外研究中に行う課題やその他の共同研究の可能性について意見交換を行った。また、滞在先の研究機関から在外研究として滞在する正式な許可を得て、2019年9月から研究に集中できる要件を確保した。 2018年度は、国際共同研究の基礎となる基課題で研究を進めることに力を注いだ。国際共同研究については、紛争データに付随する紛争事例毎の要約を購入し、目を通しながら分析に利用できそうな事例を探した。また、紛争データを分析する上で必要なパネルデータ分析の勉強を再び開始し、学生時代から今日までの技術的な発展を理解するべく勉強を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
在外研究の準備という意味では、大きな問題に直面することなく進展している。基課題の研究成果の公刊が遅れているので、なるべくそれらを早めに終わらせて在外研究の妨げにならないようにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年9月から2020年8月までの間、在外研究の滞在先で分析を終わらせることに専念し、帰国後の1年半を目途に研究成果を公刊していくことを目標としている。
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