2018 Fiscal Year Research-status Report
米国および世界の繰り返し地震による浅部プレート境界非地震性すべりの普遍的性質解明
Project/Area Number |
17KK0081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 直希 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80374908)
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Project Period (FY) |
2018 – 2020
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Keywords | 繰り返し地震 / プレート境界地震 / スロースリップ / 非地震性すべり / サンアンドレアス断層 / S-net / 東北日本沈み込み帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 米国のサンアンドレアス断層および世界のプレート境界での繰り返し地震を調査する.この研究の中では,University of California, Berkeleyに比較的長く滞在し、サンアンドレアス断層での断層浅い部分に高精度の観測網を古くから持つ利点を生かし,東北で見られた周期的スロースリップや階層的地震分布,地震サイクルと微小地震活動の関係などを性質が異なるタイプ(=横ずれ断層帯)でどのように見られるかを同じ手法で比較検討する.また,繰り返し地震の周囲の微小地震活動を調査し,東北日本で見られたすべりの階層性など繰り返し地震自体の性質について両地域の共通点と相違点について調べる.さらに,周期的スロースリップの周期を決める要因を両プレート境界での比較研究によって明らかにする.これに加え世界の沈み込み帯で,系統的に繰り返し地震を抽出することにより,世界的に均質な繰り返し地震カタログを構築し,非地震的すべり・固着の分布を明らかにする。ここではUniversity of California, Berkeleyにおける東北・およびサンアンドレアス断層での研究を生かし,最適な抽出パラメタを決定するとともに,Geological Survey of CanadaやUniversity of Southern Californiaの研究者とも連携しながら研究を進める予定である. 本研究は,2019年3月8日から開始し,研究開始から年度末までの23日間には,具体的な渡航計画の調整や国内での研究の推進を行った.今後は,2019年度にGeogical Survey of CanadaとUniversity of California, Berkeleyに訪問予定であり,この訪問に向け準備を進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来年度からの本格的な研究の実施に向け、渡航計画や国内での研究の推進が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では, 米国のサンアンドレアス断層および世界のプレート境界での繰り返し地震を調査する.2019年度は,世界の繰り返し地震の抽出に用いる抽出基準の検討を日本のデータおよび世界のデータを用いて行う.2019年度には,Geological Survey of Canadaのを短期間訪問し,研究の進め方について打ち合わせを行うとともに,University of California, Berkeleyに長期滞在し,データ解析を進める.ここでは,サンアンドレアス断層では,断層浅い部分に高精度の観測網を古くから持つ利点を生かし,東北で見られた周期的スロースリップや階層的地震分布,地震サイクルと微小地震活動の関係などを性質が異なるタイプ(=横ずれ断層帯)でどのように見られるかを検討する. また、University of Southern Californiaには, Berkeley滞在中あるいは滞在後に短期間の訪問を複数回行うことで研究を進める.帰国後は,前半で述べたカリフォルニアおよび後半で述べた世界の繰り返し地震の両方を用い,地域により異なる地質・断層運動を活かした,非地震性すべりや繰り返し地震の発生メカニズムの理解を進展させる.具体的には,世界の大地震の発生域や地殻変動データを用いたプレート間固着度推定と繰り返し地震・非地震性すべりの関係の調査やプレート境界付近の構造と固着の関係,プレート境界周囲の応力場や地震活動との関係の調査などを各領域での特性を比較しながら行う.
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