2021 Fiscal Year Annual Research Report
The elucidation of the nature of shallow interplate aseismic slip based on repeating earthquakes in United States and in the world
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17KK0081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 直希 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80374908)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | 繰り返し地震 / S-net / プレート境界地震 / サンアンドレアス断層 / スロースリップ / 非地震性すべり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, プレート境界浅部での非地震性すべりの役割を調べるために、米国のサンアンドレアス断層および世界のプレート境界での繰り返し地震を調査した。本年度は、2021年1月から開始したカリフォルニア大学バークレー校への滞在を継続し、2021年11月までRoland Burgmann教授と共同研究を行った。なお、予定していた南カリフォルニア大学のHouston教授との共同研究については、コロナウイルスの蔓延によるアメリカ国内の移動の自粛もあり、実際の来訪はせず、オンラインのセミナーと議論を通じて行った。米国滞在中は、研究室セミナーのほか、オンラインの学外の会議やコロナの状況が比較的良かった9月と10 月にカリフォルニア大学デービス校とカリフォルニア工科大学でそれぞれ本研究の成果を含むセミナーも行い、研究に対するフィードバックを得ることができた。滞在中のバークレー校における同校の平博士も含めた共同研究では、アメリカおよび世界の地震波形データのダウンロードと繰り返し地震抽出を簡単にできるプログラムの開発を行った。このプログラムでは、汎用性が高いPythonで記述されており、世界中の任意の場所の繰り返し地震の有無を調べることができる。これにより、目的とするカリフォルニアおよび世界のプレート境界での繰り返し地震を調査し、カリフォルニアのサンアンドレアス断層沿いや、中央海嶺のプレート境界における非地震性すべりの分布とその特徴について調べることができた。なお、中央海嶺付近では、繰り返し地震による非地震性すべりの推定はこれまであまり行われておらず、新しい結果である。作成したプログラムについては、整理・バグの取り除きを経て公開予定で、世界の繰り返し地震分布と非地震性すべりに関する研究成果についても論文を準備中である。
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