2023 Fiscal Year Annual Research Report
Silicene surrounded by oxide -quality improvement and its application to transistors
Project/Area Number |
17KK0125
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小川 修一 日本大学, 生産工学部, 准教授 (00579203)
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Project Period (FY) |
2018 – 2023
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Keywords | Si熱酸化 / 二次元層状物質 / グラフェン / リアルタイム光電子分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケイ素(Si)原子1層の層状物質であるシリセンはトポロジカル絶縁体であることが予想されており、次世代の高速・省エネデバイスへの活用が期待される。基課題では、熱酸化プロセスにおける酸化反応自己停止を用いることで、酸化膜で囲まれたシリセン(シリセンインオキサイド:SIO)を作製することを目指している。本研究ではSIO構造の高品質化を目的として、Siウェハ酸化メカニズムの解明と電気特性測定結果をもとにした界面欠陥評価方法の開発を行う。開発した評価方法を用いて得た欠陥の情報をSIO構造作製プロセスにフィードバックし、界面欠陥の少ないSIO作製プロセスの開発を目指すことを目的とする。新型コロナウイルス感染拡大に伴う研究期間の延長を含め、6年間の研究期間において以下の成果を得た。 1)SOI基板を加熱しながら光電子分光測定を行えるようにするために必要な加熱システムを開発し、SPring-8のBL23SUに設置された表面化学反応分析装置に取り付けを行った。本システムによりSiウェハ酸化過程の研究が進展した。 2)試作したGr/hBN積層構造のバンドオフセットを測定し、グラフェン積層によりh-BNのフェルミ準位がバンドギャップ中央に移動することを明らかにした。 3)Siウェハの熱酸化時に生成される点欠陥にSiウェハのキャリアがトラップされることによって点欠陥が化学的に活性となり、SiO2/Si界面での反応が促進されることを明らかにした。本研究によれば、高品質SOI構造作製のためにはキャリア密度の少ないSIO基板の利用が有用であると予測される。
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