2020 Fiscal Year Research-status Report
Thermal response and visible light photocatalytic reactivity of He induced nanostructure tungsten
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17KK0132
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶田 信 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (00455297)
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Project Period (FY) |
2018 – 2021
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Keywords | 共堆積 / ナノ構造 / タングステン / ヘリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,実験は実施はできなかったものの,それ以前にMagnum-PSI装置においてタングステンへのヘリウム(He)プラズマ照射を行った結果をもとに分析を行い,その結果ヘリウムプラズマ照射により誘起された繊維状ナノ綿毛構造(ファズ)への金属の蒸着の影響を明らかにした。実験の結果,プラズマ源からの金属不純物が多いと,プラズマ柱の中心部にはファズが形成されないことがわかった。また,金属不純物(主にモリブデンと銅)が蒸着すると,ファズの成長が打ち消されることがわかった。プラズマ源からの金属の影響に加えて,核融合装置での蒸着環境を再現するためにサンプルの近くにスパッタリング源を設置して,プラズマ照射を行った結果,ファズの層の厚さが約7μmとなり,蒸着をしない場合に比べて約5倍の厚みになった。タングステンを蒸着することで,ファズ層の成長速度が大幅に加速されたことが明らかになった。 また,Magnum-PSIを用いて,ヘリウムプラズマの体積再結合領域における径方向輸送の促進を調べた。ラングミュアプローブを設置し,高い時空間分解能で電位の変動を測定し測定・解析した。その結果,イオン粒子束の分布の広がりや,内部にコヒーレントなプラズマ構造が確認された。また,プローブヘッドの周囲を高速フレミングカメラで撮影した発光強度を解析したところ,方位角方向のモード数がm=1のモードの揺らぎが,径方向に放出されるプラズマと相関していることがわかった。この磁場を横切る輸送は,イオン束を分散させ,ターゲットにかかる最大熱負荷を減少させることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度はコロナの影響により実験を実施することができなかったことにより,遅れが出ている。2020年度は主にこれまで取得したデータの解析を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘリウムプラズマ中の分光計測の結果を機械学習的に評価することに加えて,プラズマ照射ナノ構造体を使ったα酸化鉄の光触媒の影響について検討を行っていく。
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