2020 Fiscal Year Research-status Report
Orality in Advanced Technology: Space Development in Japan
Project/Area Number |
17KT0060
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (90299058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 大治 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 名誉教授 (40242573)
大村 敬一 放送大学, 教養学部, 教授 (40261250)
佐藤 知久 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 教授 (70388213)
岩谷 洋史 神戸大学, 国際文化学研究科, 非常勤講師 (00508872)
板倉 史明 神戸大学, 国際文化学研究科, 准教授 (20415623)
塚原 東吾 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80266353)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2022-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 宇宙開発 / 先端科学技術 / 科学史 / オーラルヒストリー / 科学技術の社会的・文化的基盤 / ドキュメンテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、本来研究最終年度は2020年であったが、コロナ感染拡大のため、国内外の調査、研究集会、さらには資料収集に著しく制限を受け、2021年度に研究期間を延長するにやむなきに至った。 2021年度も、引き続きコロナ感染拡大による制限等を受けため、on-line会議システムを利用しての研究打ち合わせは継続して行ったものの、研究成果とりまとめに向けた資料調査、インタビュー調査はより困難になった。特に主たるインタビュー対象である宇宙開発関連技術者および関係者は高齢であり、東京。関東近郊に居住している場合もあるために、訪問調査が困難であった。 このため、2020年度は主に文献資料や近年の研究動向の把握を行った。この間に本研究Projectの研究成果を進展させるため、地球惑星居住科学連合会、宇宙人文社会研究会、Moon village研究会など、宇宙研究、あるいはJAXAの関係者が含まれるProjectに参画、2021年度に、それぞれの研究会において研究発表を行った。 この成果は現在2022年度の公表に向けて関係者と準備中である(2021年、宇宙人文研究会は日本航空宇宙工学会での企画セッション発表が決定し、その中で本科研の成果の一部を公表する予定)。なお、本プロジェクトの最終成果の公表に向けて、研究打ち合わせを行っている。 具体的には、2020年12月 Moonvillage研究会において、宇宙人類学から見た月居住地建設についてのアプローチについて、研究代表者が発表を行った。この他、コロナ感染拡大の状況を見据えながら、鹿児島県・鹿児島市において、種子島宇宙センター建設に関する地域住民に反応についてのインタビュー、資料調査を行った。この他、京都大学宇宙研究総合研究ユニットの「宇宙開発利用を担うグローバル人材育成のための宇宙学拠点の構築」の教育プログラムで成果の一部を講義した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題は、主にインタビューを中心とするオーラルヒストリーデーターを収集、これによって、先端科学技術における文化・社会の問題、先端科学技術の社会的・文化的基盤など、これまで文化人類学が対象としてこなかった現代の先端科学技術(宇宙研究・開発)の問題にアプローチすることが研究の主たるテーマである。このためには、宇宙関係関係者へのインタビュー調査、各種資料の収集、さらには宇宙関連施設周辺地域社会でのフィールドワークが必要であるものの、2018年度後半より、コロナ感染拡大のため移動が厳しく制限され、また戦後の日本の宇宙開発を担った重要なインフォーマントは、すでにJAXAや企業を定年退職した高齢者が多く、それらのキィインフォーマントに対するインタビュー調査を控えざるを得なかった(インフォーマントの大半が、東京など非常事態宣言地域に居住しているため)。また、予定では研究集会に、宇宙関係の研究者、技術者を話題提供者として招聘し、あわせてインタビューなどを行う計画も実施が困難であった。このため、ここまでの調査研究で得られたデータの整理、解釈、あるいは関連資料の収集などを行うにとどまった。一方で、対面での研究集会により、本Projectの研究成果の公表に向けて、具体的な議論、各分担者の研究に関する相互評価を行う予定であったが、一部をon-lineで行うなどの工夫をしたものの、限定された議論しかできなかったことは否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染拡大の収束を待って、予定していた国内でのオーラルヒストリー調査、国内外での資料調査、フィールドワークを可及的速やかに再会する予定である。また、同時に研究成果公表に向け、研究集会なども行う。これまで、on-lineを、本研究プロジェクトの一部成果を、自然科学系、JAXAや企業も含めた研究者からなる研究プロジェクトに参画し、研究成果の一部を発表することで、今後、それらの研究会や学会、学会連合(Moonvillage研究会、宇宙人文社会研究会、日本航空宇宙工学会、宇宙惑星居住科学連合)のワークショップ、研究大会、研究プロジェクトにおいて2021年度以降、研究成果を公表していく具体的道筋を明確にし、それに向けた研究調査、研究会の計画を再検討し、実施することで研究の遅れをカバーする。
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Causes of Carryover |
研究期間最終年度は、ここまでの研究調査のデータの整理、分析、国内外における資料収集とフィールドワーク、海外との比較研究のためのフィールドワークと海外の研究者との意見交換などを予定していたものの、研究調査の最も重要な時期であった2019年度後半期からCOVID-19感染拡大と移動、渡航制限の影響を受け、国内外でのフィールドワーク、インタビュー、国内での研究集会の実施が困難になり、2020年度に持ち越したものの、やむを得ず次年度使用額が生じた。加えて、2020年度には海外の研究者を含む、国際ワークショップ、国内、海外での研究成果の発表、さらには、研究成果の公表に向けた研究打ち合わせ、そして最終的に、研究成果の公刊に向けた予算を設定しており、その予算のため、2019年度までの繰り越し予算も含め、準備する計画が実行不可能になった。このため、研究期間延長申請を行い、幸い承認されたものの、2021年度についても、引き続きコロナ感染拡大が収束しない場合は、大幅な研究計画の変更、もしくは2022年度への再延長を検討することで、本Projectの研究成果を確実に公表することを検討している。なお、研究成果の公表はプロジェクト単体だけでなく、他の研究グループ(ムーvillage、宇宙人文社会研究会、ISS-Ethno)や学会(日本航空宇宙工学会、ISTS宇宙技術および科学の国際シンポジウム)の企画と連動し、行う予定であり、具体的な検討を現在行っている。
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Research Products
(2 results)