2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development and utilization of integrated paper devices for creating demand for wood to restore Japanese forestry
Project/Area Number |
17KT0069
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江前 敏晴 筑波大学, 生命環境系, 教授 (40203640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 悠希 筑波大学, システム情報系, 助教 (10601883)
古賀 大尚 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30634539)
川原 圭博 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80401248)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | セルロースナノクリスタル / 銀ナノ粒子インク / インクジェット / Tween80 / 導電性 / 摩擦抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
セルロースナノクリスタル(CNC)は、セルロース繊維から硫酸加水分解を介して抽出されるナノ材料である。これを活用して銀ナノ粒子インクを印刷して紙基板上にエレクトロニクスを作製するための紙の表面加工剤としての応用を試みた。CNC懸濁液のインクとしての分散安定性について調べた。硫酸加水分解によりCNC表面には硫酸基を導入されることが知られており、電気泳動の移動度を測定して表面電位を決定するための方法を検討しました。一般的な理論式であるSmoluchowski式は小球の形状を仮定しますが、高い電荷密度を持ち細い棒状のCNCには適合せず、修正Ohshima-Overbeek式が、アスペクト比の大きいこのような帯電シリンダーに適していることが見い出されました。この結果により、正確に分散性を評価できるようになりました。実際にCNCインクをインクジェット紙の表面に印刷してプレ塗工層を形成し、そのあと銀ナノ粒子インクを印刷したところ、CNCの積層回数を5-10程度にすると、表面は平滑になり、銀ナノ配線の導電性が上がりました。さらに紙基板で特に問題となる摩擦抵抗性については摩擦試験の結果からCNCプレ塗工層があることによって大きく向上することがわかりました。またこの用途のために銀ナノ粒子インクの開発も進め、硝酸銀エマルションを介して、高純度の良分散性自己組織化銀ナノ粒子インクを合成しました。硝酸銀水溶液が流動パラフィン内にTween 80及びSpan 80のブレンド乳化剤を介してナノエマルションインク化しました。このインクを紙に印刷すると、高い導電率が得られました。還元剤等は不要で、単独で銀ナノ粒子を生成しました。解析の結果Tween 80が界面活性剤、還元剤、および還元剤の3役を担っていることを発見しました。
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Research Products
(27 results)