2019 Fiscal Year Annual Research Report
Digitalization of transcription by single allele analysis
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17KT0108
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 亮 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (60506765)
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Project Period (FY) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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Keywords | シングルセル遺伝子発現解析 / iPS細胞 / アリル特異的発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒトiPS細胞を用いて、シングルセルRNAシークエンスを実施し、そのSNP情報からアリル毎の遺伝子発現をシングルセルレベルで観察することを目的としている。今年度は前年度までにに行われたシングルセルRNAシークエンスのデータ解析について、精度の高いアリル別遺伝子発現の判定法の開発を行い、論文作成に着手した。 これまでの解析の中でアリル別遺伝子発現の判定の精度に関する問題点が生じていることが明らかとなった。本研究では、全長のcDNA配列を解析対象としているが、cDNAの収量が領域によって大きく異なることが観察された。これは、ファーストストランド合成においてポリAから逆転写はじめるために3’側がよりcDNAが合成されやすいことに起因すると考えた。また、同一遺伝子上にヘテロ接合型を示す一塩基多型(SNP)が複数存在するときのアリル別遺伝子発現の定量の手法の確立が必要であることが明らかとなった。本来は同一遺伝子上ではどのSNP領域も同一のアリル発現バランスを示すべきであるが、実際の解析結果では同一遺伝子上の異なるSNPで判定したアリル別発現量が異なる遺伝子が複数確認された。これらの問題を解決するために、アリル別発現の判定方法を再検証した。その結果、3’末端に最も近いSNP領域の発現が安定した結果を出力することが示されたため、同一遺伝子上に複数のヘテロ接合型SNPが存在する場合は3’末端に最も近いSNPを解析対象とした。また、シークエンスリードの数に対してフィルターをかけることで、少ないリード数に起因する誤判定を低減させることに成功した。本年度は、これらの新しいアリル別発現解析のワークフローによって、データの再解析を実施した。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] A Modular Differentiation System Maps Multiple Human Kidney Lineages from Pluripotent Stem Cells.2020
Author(s)
Tsujimoto H, Kasahara T, Sueta SI, Araoka T, Sakamoto S, Okada C, Mae SI, Nakajima T, Okamoto N, Taura D, Nasu M, Shimizu T, Ryosaka M, Li Z, Sone M, Ikeya M, Watanabe A, Osafune K.
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 31
Pages: 107476
DOI
Peer Reviewed
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