2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノシステム機能化High-kゲート/歪制御ゲルマニウムチャネル構造の創成
Project/Area Number |
18063012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
財満 鎭明 Nagoya University, 工学研究科, 教授 (70158947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 朗 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20314031)
渡部 平司 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90379115)
中塚 理 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (20334998)
坂下 満男 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (30225792)
近藤 博基 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50345930)
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Keywords | 半導体超微細化 / ポストスケーリング / デバイス設計・製造プロセス / ナノ材料 / 半導体物性 / 表面・界面物性 / ゲートスタック構造 / 歪ゲルマニウム |
Research Abstract |
本研究では超低消費電力・高電流駆動力MOSFETの実現に向けて、伸張歪Geチャネルおよびその上のゲートスタック構造を形成し、一つのナノシステムとして集積、機能化させるために、関連するナノプロセスを有機的に統合したプロセス技術の確立を開発目標としている。本年度に得られた成果を以下に記す。 (1)Ge_<1-x>Sn_x層のSi基板上への直接形成により、大きな格子定数差に起因する界面ミスフィット転位伝播の駆動力向上によって、歪緩和をより優先的に引き起こせることを見出した。その結果、Sn組成9.2%のGe<1-x>Sn_x層の形成に成功した。 (2)絶縁膜付Si基板上への歪Ge層の直接接合の検証を行った。接合後に0.32%の歪量を保持したまま伸長歪Ge層が接合された歪Ge on insulator構造の作製を実証できた。 (3)SOI基板上に低温成長させたGe_<1-x>Sn_x層において、Sn組成2~4%のSn添加によって、正孔密度を低減できることを見出した。Sn-空孔対の形成により、空孔の不活性化が生じると推測される。欠陥起因の正孔密度が減少する結果、Ge層と比較して移動度をおよそ2倍にまで改善できることを示した。 (4)Pr酸化膜/Ge界面の安定化を目的に、ラジカル窒化による界面への窒素導入を検討した。厚さ0.7原子層程度のGeサブオキシナイトライド界面層の導入によって、低誘電率なGeO_x界面層の形成を抑制し、なおかつ、3.5×10^<11>eV^<-1>cm^-2と低い界面準位密度を実現できることを実証した。 (5)反応性スパッタリングによりTaCN、TiCN金属ゲート電極を形成し、結晶構造と電気的特性を調べた。TiCN、TaCNでは、窒素組成の増大に伴い、抵抗率が増大する。また、窒素組成の増大に伴って、TiCN中の微結晶粒径は小さくなるのに対し、TaCNでは顕著な結晶化抑制効果は見出されなかった。
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