2008 Fiscal Year Annual Research Report
メタルテンプレート型インターロック分子の動的挙動と空間制御
Project/Area Number |
18064008
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 十志和 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40179445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 靖人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10456262)
|
Keywords | ロタキサン / パラジウム / 触媒 / 相互作用 / 空間結合 |
Research Abstract |
金属原子を固定化させたロタキサンなどのインターロック分子を用い、錯体内における遷移金属/典型元素の相乗的な相互作用に的を絞り、その特性を精査した。すなわち(1)軸と輪成分の両方に配位部位を有するロタキサンにおけるPd金属/ヘテロ原子間の相互作用について(i)配位の強さ、(ii)配位子交換の可能性、(iii)ロタキサン構造の特異性と安定性のみならず(iv)並進、回転運動性についても明らかにしてきている。またその中で、(2)ロタキサンの特殊な空間結合系によって増幅・加速される分子内環化反応を見いだした。こうした反応系を連続反応系へと展開し、その結果、(3)Pdを固定化した輪成分が移動に伴って軸成分上の反応点を次々と反応する動作系の構築を達成した。さらに、こうした知見を下に、(4)分子サイズ認識能を持つ酵素様の輪状分子触媒を開発した。この触媒システムは従来までに無い魅力的な触媒能を持っており、パラジウムを固定化した輪状の分子触媒が、貫通構造(擬ロタキサン構造)を形成できるような化合物にのみに触媒能を発揮するということが明らかとなった。基質一般性に加え、パラジウム化学に基づくその他の変換反応についても現在調査中である。
|