2009 Fiscal Year Annual Research Report
単一磁束量子局在電磁波集積回路プロセスに関する研究
Project/Area Number |
18080007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤巻 朗 Nagoya University, 工学研究科, 教授 (20183931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 宏之 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20273287)
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Keywords | 局在電磁波 / 単一磁束量子 / ジョセフソン接合 / RbN |
Research Abstract |
本研究ではジョセフソン接合の高性能化(高速化、高インピーダンス化)により、現在の2-4倍の速度向上と1桁以上の高密度を具現化することを念頭にNbN/NbNx/AIN/NbNセルフオーバーダンプジョセフソン接合技術の開発を行っている。また、局在電磁波集積回路の応用としての検出器システムの構築、さらには特定領域研究内の他のグループと共同で臨界温度の高いMgB_2ジョセフソン接合の作製・評価も手掛けた。 NbNジョセフソン接合は、NbN/AIN/NbN構造が基本となる。平成21年度は、前年度に良好な結果を得た接合形成法(NbN薄膜の直流マグネトロンスパッタ法による成膜、RFプラズマ窒化によるトンネル障壁層形成)の制御性・再現性の評価を行った。その結果、トンネル障壁の母材となるA1の膜厚および窒化時間によって、接合の臨界電流を3桁にわたって制御可能であることを示した。また、ばらつきも小さいことが分かった。さらに、NbN/NbN_x/AIN/NbN構造で比較的良好なセルフオーバーダンプ特性を持つジョセフソン接合の形成にも成功した。 MgB2接合については、前年度比較的良好な特性が得られたアモルファスホウ素薄膜をトンネル障壁層とした接合を作製し、さまざまなパラメータを変化させて特性評価を行った。その結果、更なる特性改善には、上部MgB_2薄膜の初期成長膜を高品質化する必要があることが分かった。そのためにはトンネル障壁を結晶化する必要があり、MgOトンネル障壁層による接合形成に取り掛かっている。
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