2007 Fiscal Year Annual Research Report
アラビアンナイトの形成過程とオリエンタリズム的文学空間創出メカニズム解明
Project/Area Number |
18102001
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
西尾 哲夫 National Museum of Ethnology, 民族社会研究部, 教授 (90221473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 英明 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90179143)
小田 淳一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (10177230)
青柳 悦子 筑波大学, 人文会社科学研究科, 准教授 (70195171)
鷲見 朗子 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (20340466)
永崎 研宣 山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (30343429)
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Keywords | アラビアンナイト / 千一夜物語 / 中東 / イスラム / アラブ / オリエンタリズム / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
世界に散在する種々の文献資料の発掘、整理、分析を通して中東世界におけるアラビアンナイト物語集の原型、社会的受容、変遷を究明する目的で、(1)中東イスラム世界におけるガラン訳アラビアンナイト出現以前(17世紀以前)のアラビアンナイト形成過程、(2)ガラン訳アラビアンナイト出現以降(18世紀以降)のアラビアンナイト受容による文明間イメージ形成と文学テキスト生成の相互作用を明らかにするために、以下の研究を行った。 1.アラビアンナイト形成過程分析のための基礎データ作成:(1)写本書誌情報データベース作成:英国とフランス所蔵写本の情報データベースを作成し、当該写本のマイクロフィルム等による収集を行い、重要写本についてはデジタル化を行った。(2)原典コーパスとアラブ民衆文化語彙電子辞書の作成:カルカッタ第2版入カテキストの電子辞書ならびに索引作成にむけて、サンプルとしてシンドバッド物語の部分を試験的に処理し、問題点について分析した。(3)民話モティーフ索引の開発:海外研究協力者シロンバル博士のデータを基礎にアラビアンナイト民話モティーフ索引の入力作業を行った。 2.アラビアンナイト受容過程分析のための基礎データ作成:(1)欧米・中東・日本における出版書誌情報データベース作成作業を行った。(2)民博所蔵コレクションをもとに挿絵画像データベースを入力した。 3.アラビアンナイト写本の海外調査として、オランダならびにトルコの関連図書館で調査を行った。 4.アラビアンナイト受容の海外調査として、オランダ、フランス、トルコ、中国、ウズベキスタンで調査を行った。 5.アラビアンナイト受容の国内調査として、(1)明治後期から大正期の翻訳状況の調査ならびに、(2)江戸期「駱駝」民俗画の調査を行った。 6.海外研究協力者シロンバル博士を招聘、アラビアンナイト写本研究の現状に関する国際ワークショップを開催した。
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