2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Ceremony and Punishment in East Asia -Inter-disciplinary research of ritual order and legal order-
Project/Area Number |
18102003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Asian history
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
TOMIYA Itaru Kyoto University, 人文科学研究所, 教授 (70127108)
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Project Period (FY) |
2006 – 2010
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Keywords | 礼 / 礼的秩序 / 法 / 法的秩序 / 死刑 / ナレッジベ-ス |
Research Abstract |
本研究は、中国を中心とした東アジアの政治、制度、思想を形成した礼と法にかんして、その両者を有機的にとらえんとするものである。ここに、「儀礼」「刑罰」という語を使っているのは、単に「法」と「礼」といった抽象的概念でもっての表現を避け、より具体的に、様態がはっきりとし、そこに法、礼が具現化される「儀礼」「刑罰」を考察の対象とせんとしたからに他ならない。 東アジア世界においては、儀礼(礼的秩序)と刑罰(法的秩序)が密接不離の関係をもつ。関係は表と裏の関係といった一面的なものだけでなく、刑罰が儀礼ともなり、礼制度が明文化され強制的規範となり、法としての性格を有するのである。つまり、礼的秩序と法的秩序は、社会制度のあらゆる面で複雑に絡み合い、ある場合には補完的、ある場合には対峙して中国史の全時代、東アジアの諸国に及んでいった。そして何よりも指摘しておかねばならないのは、それが今日まで中国を始め、韓国、日本においても絶えることなく引き継がれており、東アジアの社会秩序、法環境を形成していることである。したがって、現代の東アジア世界も礼的秩序と法的秩序の二つの秩序から構成されているといっても過言ではなく、東アジアの政治、社会、制度・思想を研究するには、その根底にある礼的秩序と法的秩序を総合的に解明なくして十全な「歴史認識」は得られないといってよかろう。
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Research Products
(9 results)