2008 Fiscal Year Annual Research Report
隕石中の希ガスの主要成分の起源とその宇宙地球化学的示唆
Project/Area Number |
18104010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 准一 Osaka University, 大学院・理学研究科, 教授 (80107945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 雅之 東京医科歯科大学, 教養部, 准教授 (90301168)
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Keywords | 地球化学 / 宇宙科学 / 希ガス / 隕石 / 同位体 / 炭素 / Q |
Research Abstract |
今年度は以下のような研究をおこなった。 (1)アレンデ隕石について、物理的手設で分離したQを含む試料について、ラマン分光測定を行ったが,バンド位置や半値幅などさまざまなラマン分光のパラメーター値が測定の際のレーザーの励起エネルギーに関係することがわかった。そこで低エネルギーでの再測定を行ったが、その結果も含めて改訂した投稿論文が受理された。これらのエネルギー依存性などについて、別試料で統一的なデータを集め、現在投稿論文を準備中である。また、化学処理したQを含む残滴についても、希ガス分析、ラマン分光、電顕観察のデータが出そろったので、投稿論文を準備している。 (2)普通コンドライトのサラトフ隕石(L4)についても、希ガス、ラマン分光測定が終了し、論文を投稿した。レビューが終わり、現在改訂中である。 (3)普通コンドライトのハムレット(LL4)の化学残渣については、希ガスの元素存在度と同位体比の測定を行ったが、プリソーラーグラファイトのもつNe-Eの存在が認められたので、現在それを確認中である。 (4)C1コンドライトであるオルゲイユ隕石について、ピリジンで処理すると低温成分のQがなくなるとの報告をフランスのグループが行っているが、ドイツのグループは他の隕石ではそのようなことがなかったと報告している。これについて、オルゲイユ隕石に同様の処理を行い、追試を行った。その結果、希ガス含有量がピリジン処理によって、たしかに元素存在度が減少することを確認した。 (5)ラマン分光におけるグラファイトのDバンドについては、その解釈についてよくわからないところがあったが、炭素12と13の単一同位体のグラファイトについて、ラマン測定を行い、その解釈に一つの見解をもたらした。これについては論文を投稿中である。
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