2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18200024
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
北澤 茂 Juntendo University, 医学部, 教授 (00251231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神作 憲司 国立身体障害者リハビリテーションセンター(研究所), 感覚機能系障害研究部, 室長 (60399318)
高橋 俊光 順天堂大学, 医学部, 助教 (00250704)
和田 真 順天堂大学, 医学部, 助教 (20407331)
|
Keywords | 時間順序判断 / 体性感覚 / サッケード / fMRI / ヒト / TMS / 異種感覚信号 |
Research Abstract |
昨年度までに我々はサッケードによる時間順序判断逆転の効果が視覚刺激だけではなく、皮膚刺激の判断にも及ぶことを示した。サッケードは異種の感覚信号に基づいて生成される「動き」の信号に影響を与えて時間順序判断を逆転させるのではないかと推測した(動き投影仮説)。本年度はさらに次の研究を行った。 1.サッケードによって音刺激の時間順序も反転するのか?視覚刺激、皮膚刺激の代わりに音刺激を用いてサッケードが音刺激の時間ll頃序判断も逆転するかどうかを調べた。5名の被験者に対して実験を行った結果、上下方向の振幅20度のサッケード開始直前100ms以内に左右のスピーカーから右が50ms先行の音刺激を出した場合、正解率が85%から40%に低下し、判断が逆転する傾向を示した(p<0.0001)。時間順序判断は感覚の種類によらずサッケードの影響を受けることが明らかになった。 2.脳のどの領域が逆転現象に責任があるのか?機能的磁気共鳴画像法で触覚の時間順序判断課題に寄与していることが期待される空問と動き関連領域を特定し、磁気刺激の効果を調べた。機能的磁気共鳴画像法の実験は10名で行い、その結果を参考に3名の被験者に対して磁気剃激の実験を行い、結果を検討している。次年度にさらに人数を追加し研究を進める。 3.α波と時間順序判断に関係があるのか?α波が脳の「クロック」であるという仮説(Kristopherson,1967)と視覚刺激の動きの知覚がα波の位相に依存するという報告(Varela, et. al.,1981)に注目して、時間順序判断課題を行う際のα波の位相と時間順序判断の逆転との関係について解析を行った。手を交差して、左手、右手の順に200msの時間差で刺激を与えたときにほぼ5割の確率で判断が逆転した2名の被験者の正解時と判断逆転時の脳活動を比較した結果、刺激を与える直前の脳活動に周期約10Hzで有意な差(p<0.0001)が検出された。刺激直前のα波の位相が時間順序判断に影響を与えることを示す結果である。次年度に、さらに被験者数を増やし精密な解析を行う。
|
-
-
-
-
[Journal Article] The role of the human ventral premotor cortex in counting successive stimuli2007
Author(s)
Kansaku, K., Carver, B., Johnson, A., Matsuda, K., Sadato, N., Hallett, M.
-
Journal Title
Neuroscience Research 59・1
Pages: 60-67
Peer Reviewed
-
-
[Presentation] 脳の中の時間2008
Author(s)
北澤 茂
Organizer
第5回自然科学研究機構シンポジウム
Place of Presentation
東京国際フォーラムホール、日本
Year and Date
2008-03-20
-
-
-
-
-