2008 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動によるメンタルヘルス改善効果の分子機構解明とリサーチ・リソースの構築
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18200041
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
芝山 秀太郎 National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, 名誉教授 (00162644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹倉 宏明 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00206963)
田巻 弘之 鹿屋体育大学, 体育学部, 准教授 (40253926)
宮地 元彦 鹿屋体育大学, 国立健康・栄養研究所, プロジェクトリーダー (60229870)
町田 修一 東海大学, 体育学部, 准教授 (40421226)
佐古 隆之 日本女子大学, 家政学部, 講師 (20339477)
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Keywords | 動脈スティフネス / 慢性疲労 / 運動 / ACTH / 血流量 / 近赤外分光装置 / 前頭前野 / 一次運動野 |
Research Abstract |
1.30〜40歳の健康な188名の成人男女を対象として、POMSの気分尺度と動脈スティフネス(baPWV)との関連を検討した。抑うつと疲労の得点とbaPWVとの間に有意な相関が見られた(r=0.2-0.3,P<0.05)。抑うつや疲労の程度が高いと動脈スティフネスが高いことが示唆された。10日間に及ぶ睡眠短縮と精神労働による負荷をかける実験系を構築し、血中ストレス関連物質に及ぼす影響を検討した。17名の男性を対象として現実の労働-生活過程を模擬し、慢性疲労を操作的に発現させる実験を設定した。実験は、長時間・過密労働のモデルであり、週内の休日をスキッブして(休日出勤を模擬)、10日間の連続した夜間睡眠短縮による慢性疲労発現モデルとした。疲労と関連があるとされているTGF-β、DHEA-S、コルチゾール、ACTHの血中濃度の変化を観察した結果、全てに有意な変化が見られなかった。 2.計算課題を行う前に短時間の低強度運動を行い、計算課題中の前頭前野および一次運動野の血流量に対する影響について検討した。女子大学生10人を対象として、安静後(C群)または40%VO_2max強度での9分間の運動後(E群)に行った15分間の計算課題中の脳血流量を近赤外分光装置により測定した。計算作業量は、始めの5分間においてのみ、C群と比較してE群で有意に高値を示した(p<0.05)。脳血流量については、計算開始時および開始直後の一次運動野において、C群と比較してE群で有意に高値を示した(p<0.05)。前頭前野においては、計算開始後増加したものの両群間での違いは認められなかった。以上の結果より、低強度運動により増加した短時間の計算作業量に、一次運動野血流量が関与している可能性が示唆された。
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