2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工関節のための新規生体材料であるカーボンナノチューブ・セラミックス複合体の開発
Project/Area Number |
18201021
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
齋藤 直人 Shinshu University, 医学部, 教授 (80283258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樽田 誠一 信州大学, 工学部, 教授 (00217209)
加藤 博之 信州大学, 医学部, 教授 (40204490)
天正 恵治 信州大学, 医学部, 助教 (20419378)
石垣 範雄 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (20447725)
中村 恒一 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (80419382)
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Keywords | カーボン / セラミックス / 複合体 / 生体材料 / 人工関節 |
Research Abstract |
1.素材研究 [1]素材の試作 新しい分散技術により改善されたCNTとセラミックスの均一混合を更に向上させた。最適なCNTの形状、表面処理などが明らかにし、複合体を安定して作成した。[2]機械的特性評価 最適な複合体について、機械的特性の改善度を評価し、強度と破壊靭性を向上させた。 2.生体材料の機能評価 [1]摺動特性評価 これまでに検討してきた最適なCNTとセラミックスの複合体について、磨耗量の減少と結晶の脱粒減少を最終評価した。[2]デバイス評価 最適なCNTとセラミックスの複合体の相安定性を最終評価した。また、破断面や磨耗面の形状評価から、最適なCNTの形状を決定した。 3.生体適合性の研究 [1]生体反応評価 動物皮下埋め込み試験:長期評価を行い、CNT単独で生体親和性がきわめて良好で、生体内で高度な炎症反応を惹起しないことを示した。磨耗粉皮下埋め込み試験:これまでに人工関節において重要な問題である擬似磨耗粉を作成し、試験動物への埋め込みを実施した。[2]骨組織反応評価 動物骨内埋め込み試験:すでに埋め込みが実施されている動物を用いて長期評価を行い、良好な結果を得た。また、複合体の骨への埋め込みを実施しており、取り出してその骨親和性を評価した。磨耗粉骨内埋め込み試験:擬似磨耗粉が骨に及ぼす作用を評価した。[3]細胞反応評価CNTおよびその複合体に対する細胞反応を様々な培養細胞を用いて評価した。細胞毒性試験を適切なコントロールと比較して実施した。線維芽細胞に対する反応は、最終評価として細胞毒性を認めなかった。 また、CNTをマクロファージに作用させても、炎症性サイトカインを誘導しなかった。
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