2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18201051
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 佐知子 Osaka University, 文学研究科, 教授 (00181412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 美智子 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (40304068)
深尾 葉子 大阪大学, 経済学研究科, 准教授 (20193815)
三好 恵真子 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (60294170)
竹村 景子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (20252736)
池田 忍 千葉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (90272286)
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Keywords | 着衣 / 身体 / ジェンダー表象 / アイデンティティ / 伝統 / ネイション / 差異の政治学 / グローバリゼーション |
Research Abstract |
本年度は、各分担者によって進められてきた着衣と身体に関する研究を統合する準備として、まずジェンダー表象を主に担当している東京分科会(池田忍主催)と10月4日-5日に合同合宿研究会を行い、領域横断的な研究を俯瞰する機会をもうけた。そこでは前年度に提示された「身体と着衣の個別性・主体性」「身体と着衣の脱領域化」「擬える身体と着衣」の3つの回路について再検討され、「表象を変える身体」と「身体を変える表象」という視点を加えて、「ジェンダーの政治学」に東京分科会の研究成果を集約することにした。これはジェンダー表象研究に大きく貢献するものである。 次に、大阪大学・グローバルコラボレーションセンターとの共催で「着衣する身体の政治学」と題するシンポジウム(2009年2月5日於神戸ファッション美術館)、「肌に触れる知の発見」と題するワークショップ・エキシビション(2月7日-8日)を開催した。伝統的な「衣」文化が西欧近代、あるいはパクス・アメリカーナの大量消費主義とどうせめぎ合ってきたかを、近代的な身体のあり方にも絡めて論ずることを目的としたものである。特にワークショップ・エキシビションでは、苦境に立つ「伝統」的染織に寄り添っている人々を報告者として招き、報告者の語りと染織を肌で感じることで、私たち自身の飼い馴らされた身体に気づき、実践知、暗黙知としての「衣」文化の理解を試みた。「衣」文化を伝統/近代の二項対立で捉える西欧近代の暴力性の再生産に抗う、別の知のあり方を提示したという意味は大きいと考える。 なお、この成果は報告書として3月末に刊行された。
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Research Products
(14 results)