2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18202009
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西 成彦 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 一信 立命館大学, 文学部, 教授 (20105365)
中川 成美 立命館大学, 文学部, 教授 (70198034)
池内 靖子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (80121606)
崎山 政毅 立命館大学, 文学部, 助教授 (80252500)
大平 具彦 北海道大学, 大学院・国際メディア研究科, 教授 (90117698)
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Keywords | 近代性 / 植民地主義 / モダニズム / 前衛芸術 / ディアスポラ / 移住 / 亡命 / 難民 |
Research Abstract |
「第一次世界大戦後から1960年代までの諸都市をピックアップし、それらの諸都市の無国籍性を可能にした歴史的諸条件、とりわけ民族移動との結びつきに留意しつつ、それらの諸都市がモダニズム運動のセンターたりえた根拠を明らかにする」ための第一歩として、2006年度は(1)ヨーロッパ・北米、(2)中南米や中近東のモダニズムにも目配りしながら、若手研究者に研究発表の機会をあたえ、とくに(3)日本および東アジアのモダニズムを研究対象とするモダニズム研究の裾野を広げることを心がけた。 (I)北海道でモダニスト詩とアイヌ研究がどのように交錯しあったか、(II)初期川端康成のモダニズムは昭和初期の浅草をどう捉えようとしたのか、(III)中国のモダニストは横光利一から何を学んだのか、(IV)同じく横光利一のインパクトを朝鮮半島において受け止めた李箱の植民地主義への問いとは何であったか、(V)当の横光利一が朝鮮半島に見出したものは何であったか、(VI)京・ソウル・間島・上海を股にかけた朝鮮詩人、呉相淳が追求したアジア的な世界性とは何であったか、(VII)解放後、国民詩人として祀り上げられることになった尹東柱の脱神話化、(VIII)新劇俳優、松井須磨子を同時代の男性批評家がどのようなまなざしで見ていたかをめぐる批判的な検証。植民地主義、マイノリティ、ジェンダー、ディアスポラといった視点を抜きにしたモダニズム研究がありえないことは、ヨーロッパ・北米、中南米や中近東を見る場合と同様である。 2007年度は研究分担者を数人加えることで、層を厚くしたい。
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Research Products
(12 results)