2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18202009
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西 成彦 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 具彦 北海道大学, 言語文化部, 教授 (90117698)
鈴木 雅雄 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20251332)
長畑 明利 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (90208041)
石川 達夫 神戸大学, 国際文化研究科, 教授 (00212845)
細見 和之 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (90238759)
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Keywords | 近代性 / 植民地主義 / モダニズム / 前衛芸術 / ディアスポラ / 移住 / 亡命 / 難民 |
Research Abstract |
「第一次世界大戦後から1960年代までの諸都市をピックアップし、それらの諸都市の無国籍性を可能にした歴史的条件、とりわけ民族移動との結びつきに留意しつつ、それらの諸都市がモダニズム運動のセンターたりえた根拠を明らかにする」という目標に沿って、2007年度も研究会を積み重ねた。 研究会は5月に早稲田大学、9月と1月に立命館大学で開催。 5月の研究会では、(1)イスラエル/パレスチナにおける現代文学、(2)東欧ユダヤ人のポピュラー音楽とモダニズムの関連、(3)英米文学のイスラーム表象に関する話題提供をもとに、モダニズムとユダヤ・イスラームをめぐって議論を深めた。 9月の研究会では、研究代表者および分担者の周辺でモダニズムに関心を持つ若手研究者に発表の機会を与え、(1)横光利一と朴泰遠、(2)ポルトガルの「新しい歌」運動、(3)現代中国小説とモダニズム、(4)イスラエル建国時の歴史記述について、話題を提供していただいた。若手研究者の関心の広がりから学ぶところは大きかった。 1月の研究会では、芸術運動としてのシュルレアリズムに関して新著を著した研究分担者(鈴木雅雄氏)を囲んでミニシンポジウム「シュルレアリズムはモダニズムか」を企画し、1920年代・30年代のパリにおけるシュルレアリストたちの共同体形成をめぐる実験について議論を重ね、全世界的なモダニズムのなかでのシュルレアリズムの位置を見定めた。また「ラテンアメリカのアヴァンギャルド」ではカリブ海地域でのモダニズム運動の諸特徴をさぐった。 (1)ヨーロッパ・北米、(2)中南米・中近東、(3)東アジア地域のモダニズムにそれぞれ注目しながら、モダニズムの幅を測定する試みは着々と進行しているといえる。
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