2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18202009
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西 成彦 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 成美 立命館大学, 文学部, 教授 (70198034)
崎山 政毅 立命館大学, 文学部, 教授 (80252500)
細見 和之 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (90238759)
大平 具彦 北海道大学, 言語文化部, 教授 (90117698)
岡 真理 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (30315965)
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Keywords | モダニティー / 植民地主義 / 脱植民地化 / アヴァンギャルド / 比較文学 / ディアスポラ / 複数言語使用 |
Research Abstract |
「第一次世界大戦後から1960年代までの諸都市をピックアップし、それらの諸都市の無国籍性を可能にした歴史的条件、とりわけ民族移動との結びつきに留意しつつ、それらの諸都市がモダニズム運動のセンターたりえた根拠を明らかにする」という目的に沿って、2008年度も研究会を積み重ねた。研究会は5月に明治大学、9月と1月に立命館大学で開催。 今年度は研究分担者の単著刊行が相次いだため、5月の研究会では池内靖子『女優の誕生と終焉』、1月の研究会では岡真理『アラブ、祈りとしての文学』を合評会形式で取り上げた。明治から昭和までの東京とする前衛演劇運動の中での女優、イスラエル建国前後のパレスチナを中心とする文学活動、いずれも本研究会のテーマに密接に関わっている。合評会では活発な議論があった。 その他、個別発表は以下の通り。 5月の研究会では、1、エジプト・カイロの現代文学、2、トリスタン・ツァラを研究する若手に発話をお願いして、アラブ圏のモダニズム、およびフランス・前衛文学運動の象徴表現について集中的な議論を行った。 9月の研究会では、1、ニューヨークにおけるハーレムルネッサンス、2、両大戦間期ポーランド文学とマイノリティ、3、昭和期日本と朝鮮のモダニズムの比較、4、日本近代文学におけるアイルランド文学受容、5、現代台湾文学における国民党兵士の表象をとりあげ、「ヨーロッパ・北米」モダニズムとマイノリティのテーマ、および日本敗戦前後の東アジアにおける人間の移動と現代文学の関係について活発に議論した。 1月の研究会では、1、ブラジル・モダニズムの諸相、2、アメリカ合衆国におけるユダヤ系前衛芸術、3、昭和期朝鮮人作家の移動体験をとりあげ、1、ヨーロッパ・北米、2、中南米・中近東、3、東アジア地域のモダニズムにそれぞれ注目しながらモダニズムの幅を測定する試みの有効性を確認した。 残すところは、これまでの3年間の研究成果をまとめるのみである。
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Research Products
(16 results)