2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
The application and vevelopment of three-dimensional digital archives for arcaeological materials
Project/Area Number |
18202025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Archaeology
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
樋口 隆康 Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture, 研究所顧問 (30025035)
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Project Period (FY) |
2006 – 2009
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Keywords | 三次元計測 / デジタルアーカイブ / 銅鏡 / バーチャルミュージアム / 銅鐸 |
Research Abstract |
(1) 三次元デジタルアーカイブの構築すでに構築した銅鏡600面以上のデータベースと同様に、三次元形状計測、デジタルマイクロスコープ、透過X線撮影(FCR)等のデジタル化技術を駆使してデータベースを構築する。三次元計測と組織的な実物観察を並行しながら精密で客観的なデータの蓄積に努める。主な調査対象は、弥生から古墳時代の銅鏡、特に三角縁神獣鏡と同一文様をもつものに注目する。それ以外にも、他の考古資料も三次元計測して資料化する計画である。銅鏡よりも大きく、より立体的な資料への形状計測技術の構築と、三次元形状計測データの考古学的な有効性、利用方法を探るため、博仏や銅鐸などの計測をおこなう。さらに、文化財の保存科学の分野において、有機遺物の保存処理でおこる遺物の収縮についてはこれまで、三次元的に検討されることはほとんどなかった分野であるが、これについても三次元形状計測活用の可能性を探るべく、実験的に計測をおこなう。また、研究レベルの貢献にとどまらず、最終的にこれらのデータをバーチャルミュージアムとして公開することで一般に寄与することを目指す。 (2) 三次元データの考古学的活用遠隔地に所蔵された各地に分散管理される考古資料をPC上で擬似的に一覧できる環境の構築を目指す。その環境下では立体的な観察や、複数の銅鏡を精密に客観的に比較することが可能である。この三次元デジタル・アーカイブを活用した新しい資料の観察法の提案によって、銅鏡を実物資料を一覧して比較することはきわめて難しい研究者に対しても、遠隔地に所蔵される考古資料を擬似的に一覧できる新しい研究環境の提供を可能とする。銅鏡においては、(1)図像表現の設計思想、(2)鋳型の製作・修正技術、(3)鋳造技術について、従来の写真や手描きの実測図などの二次元情報を中心とした研究から、精密な立体的情報を用いた研究方法を模索する。さらに、実物の肉眼観察を補完する目的でのデジタル情報の利用として可視化した画像の利用研究を進める。 (3) 三次元データの博物館における活用バーチャルミュージアムを想定して、三次元デジタルデータの画像処理法や易しい操作性のアプリケーションなどの開発、選択を進める。銅鏡などの考古資料を自在に観察することを目標に三次元ビューアソフトの開発を進める。これまでに東京大学生産技術研究所池内研究室が開発したTDC(差分解析ソフト)を、博物館の展示にも活用できるように開発を進める。これについては東京大学生産技術研究所池内研究室および池内研究室と共同研究をしている凸版印刷株式会社などの全面的な協力のもと行う。また、遺物の精密なデジタルデータを基に, ラピッドプロトタイピング(RP)技術によって、考古資料の複製品を作製する研究を進める。高精度の複製品の作製は、学校や博物館における「触れる資料一として活用でき, 応用の可能性も大きく広がるものと期待される。
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Research Products
(5 results)