2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワークの特性に関する実証的研究ーケアマネジメントとの関連をもとに
Project/Area Number |
18203031
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
白澤 政和 Osaka City University, 大学院・生活科学研究科, 教授 (20094477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 伸之 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (00285298)
岡田 進一 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (20291601)
清水 由香 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教 (90336793)
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Keywords | ソーシャルワーク |
Research Abstract |
ソーシャルワークとケアマネジメントの違いは、前者は個人だけでなく、地域を対象にして活動することに相違があるが、現実のソーシャルワークは理論的にも実践的にも極めて弱いことが明らかになった。そのため、本年度は地域に焦点を当てたソーシャルワークの理論的研究を行い、一方で、地域を対象としてネットワーク実践について質的分析を行った。また、これについて児童、高齢者、患者、障害者についても同時に、このことは韓国ソウルおよび中国上海においても類似の調査研究を行った。 研究結果として、ソーシャルワークが関わっているネットワークには地域住民を巻き込んだ住民主体ネットワーク活動と、様々な地域の課題に対応する専門職のみで形成された専門職ネットワークの2パターンが存在することが明らかになった。 住民主体ネットワーク活動の実施には、<地域住民の主体的な意思>が必要不可欠であり、そのためソーシャルワーカーは<自発的な住民活動に対する側面的支援>や<住民活動の段階に応じた関わりの調整>といった【ネットワーク推進のための専門職としての支援】を行っていた。住民主体ネットワーク活動が定着した後は、<確立したネットワーク活動の拡充>や<確立したネットワークをモデルとした他地域でのネットワーク展開>等、ネットワークを広げるために様々な実践を行っていることが示された。また、【住民主体ネットワークによる影響】として、<地域の要援護者の早期発見>や<住民同士の結束の強化>等の効果を持っていることが明らかになった。 また、専門職ネットワークは、<個別ケースの対応・業務を通じた関係作り>にから始まり、<地域福祉を推進するための専門職間の連携>により確立されるプロセスが明らかになった。この専門職ネットワークは住民主体ネットワークに比して多くのソーシャルワーカーが実践しており、比較的形成しやすいネットワークであることが分かった。
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