2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18204002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河澄 響矢 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30214646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足助 太郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30294515)
森田 茂之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70011674)
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Keywords | リーマン面 / 写像類群 / マグナス展開 / デーン・ツイスト / ゴールドマン・リー代数 / ピカール・レフシェッツ公式 / 形式的シンプレクティック幾何 / ストリング・トポロジー |
Research Abstract |
繰越を行ったお陰で満足いく成果をおさめることが出来た。久野雄介氏(広島大学・学振PD)との共同研究によって、ゴールドマン・リー代数とシンプレクティック導分のリー代数について新知見を得た。後者はKontsevichの形式的シンプレクティック幾何を通してリーマン面のモジュライ空間のコホモロジーを記述している。我々は境界成分1のコンパクト曲面のゴールドマン・リー代数からシンプレクティック導分のリー代数への準同型であって核の次元が1で像が稠密なものを発見した。ストリング・トポロジーとシンプレクティック導分の密接な繋がりが本研究によって明らかになったと言っても過言ではない。手始めとして2つの応用が得られた。(1)(久野氏との共同研究)曲面の基本群の完備群環へのデーン・ツイストの作用の明示的な公式を得た(arXiv:1008.5017)。この公式は古典的なピカール・レフシェッツ公式および森田によるジョンソン準同型の計算の一般化である。本研究課題の最終目標の一つである全ジョンソン写像の解明に有力な手がかりが得られた。(2)(久野氏との共同研究)無限種数でエンドが1つの曲面のゴールドマン・リー代数の中心が自明ループで張られることを示した(arXiv:1009.4985)。閉曲面のゴールドマン・リー代数についての類似の結果はChasとSullivanが予想しEtingofが解決している。ゴールドマン・リー代数とシンプレクティック導分に関して他にもいくつか部分的な結果が得られているが、それらは論文にまとめられる段階にはない。別の研究課題の下で完成を期したい。
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Research Products
(8 results)