2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18204007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舟木 直久 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (60112174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 博文 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (20177207)
熊谷 隆 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (90234509)
吉田 伸生 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40240303)
種村 秀紀 千葉大学, 理学部, 教授 (40217162)
ヴァイス ゲオグ 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (30282817)
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Keywords | 確率論 / 解析学 / 統計力学 / 応用数学 / 数理物理 / 関数方程式論 |
Research Abstract |
大規模相互作用系とは、巨視的に硯測される様々な現象を微視的レベルから解析し理解するために導入される数理モデルの総称である。対象とする系は、一般に莫大な量の自由度を有する。以下、本年度の研究実績からいくつか具体的に述べる。 1.研究集会「大規模相互作用系の確率解析」(九州大学西新プラザ、7月11日-13日)を開催し、研究代表者はピンニングをもつ酔歩の臨界状態における極限定理、分担者の樋口はフラクタル集合上のパーコレーション、乙部は無限次元空間内の部分集合における発散定理、西川は保存的界面モデルの大偏差原理に関する研究成果を発表した。 2.「確率論サマースクール」(信州大学、8月7日-10日)を開催し、研究代表者は相関不等式およびその確立積分への応用、分担者の種村はランダム行列と非衝突拡散過程に関する研究成果について連続講義を行った。FKG不等式やBrascamp-Lieb不等式といった相関不等式は、統計力学あるいは場の量子論において基本的道具として用いられるが、これらの不等式に対し、確率微分方程式の比較定理・エルゴード定理に基づく見通しのよい証明を与えた。 3.分担者の長田は、ランダム行列におけるGinibreランダム場を考察し、対応する干渉Brown粒子系において1粒子に着目するとき、際だった性質が得られることを発見した。 4.2月11日-26日の期間、チューリッヒ大学のE.Bolthausen教授を招聘し、スピングラスモデル、ランダム媒質内の酔歩に関する講演、界面モデルに関する討論などを行い、極限定理についての共同研究を継続している。また、9月15日-24日の期間、海外共同研究者であるベルリン工科大学のJ.-D.Deuschel教授が東京大学数理科学研究科を訪問し、ランダム媒質内の酔歩に関する講演を行った。
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Research Products
(7 results)