2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18204010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 泉 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
池田 榮雄 富山大学, 大学院・理工学研究部, 教授 (60115128)
長澤 壯之 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70202223)
岡部 真也 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (70435973)
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Keywords | 反応拡散方程式系 / 脂質二層膜の形態変換 / 活性因子抑制因子系 / パターンの崩壊 |
Research Abstract |
本研究は,生物の形態形成の数理モデルを数学的に厳密に解析し,解の定性的性質を定量的考察の結果として導出する理論を構築することを目的としている. 今年度は,以下のような成果を得た. 高木:活性因子-抑制因子系の基礎生産項が十分小さいとき,パターンの崩壊が起こり得ることを厳密に証明することができた.また,抑制因子の基礎生産項がない場合には,パターンが崩壊することはないことを明らかにした. 柳田:半線型放物型偏微分方程式の移動特異点をもつ解を構成した.反応拡散方程式のシャドウ系野多重スポット定常解の不安定成分の形を解明した.非線形数理レクチャーシリーズを組織した. 池田:非一様な媒質における進行フロント解が停止,通過,反射のいずれを選択するかを空間の非一様性との関係から明らかにした. 長澤:平面閉曲線に対する幾何学的変分問題の解の構成に必要となる周期的ポテンシャルをもつSturm-Liouville作用素のスペクトルの構造について調しべ,既知の結果をより弱い假定のもとで証明することができた.研究集会「さいたま数理解析セミナー」,"Variational Problems for Curves and Surfaces and Related Topics"を組織した. 岡部:平面閉曲げエネルギーと運動エネルギーを最小化する変分問題の解をある条件のもとで構成することができた.また,盛岡応用数学小研究集会を組織した. その他,中島主恵は空間非一様な反応拡散系のシャドウ系の定常解の安定性を判定し,望月敦司は線虫の温度走性に関する様々な実験結果を再現する数理モデルを提唱した. 最終年度の本年は,4年間の研究活動を総括し,今後の研究の方向を探るため,研究成果報告書を作成した.
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