2007 Fiscal Year Annual Research Report
超耐放射線電磁石を用いた超大強度二次ビームラインの設計
Project/Area Number |
18204026
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高崎 稔 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (70044782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 丈晃 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (00415043)
高橋 仁 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (60353372)
上利 恵三 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師補 (30391741)
皆川 道文 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師補 (50391743)
山野井 豊 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 技師 (90391739)
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Keywords | 耐放射線 / 完全無機絶縁 / 間接水冷 / 真空 / トリチウム / J-PARC / K中間子工場 / MIC |
Research Abstract |
標的装置近傍に設置されるビームライン機器の内、真空チェンバーはビームの最も近傍に設置されるがゆえに、その受ける熱量、放射線は莫大なものとなる。そのため、十分な冷却方法を講じなければたちまち溶融してしまうし、また強力に水冷したとしても、その中での莫大なトリチウム生成という問題を抱え込む事になる。そこで真空ダクトを標的付近から完全に廃する事を考えた。すなわち発想を大逆転し、巨大な真空チェンバー中で磁石や標的本体を運転する事を考えた。しかしそんなことは本当に可能なのだろうか? 本研究の目的は、二次粒子生成標的の直下流で運転するビームラインシステムとして、真空中で超耐放射線(=完全無機)電磁石等を運転するシステムを設計し、かつその実物大模型を試作し、これらが「システム」として動作する事を実証することである。 H19年度は昨年度までに準備したパーツ類を真空チェンバー中に設置して、長期の試運転(実証試験)を行った。そのため、昨年度準備した真空中運転対応の超耐放射線電磁石コイルを鉄芯に組み付け、真空運転対応の電磁石本体のプロトタイプを完成させ、当該電磁石を別途用意した試験用真空チェンバー中に設置し、試験励磁を実施した。また、この試験励磁のために必要な冷却水(〜毎分100リットル程度)や電力(〜1000アンペア程度)を真空チェンバー中へ導入するために必要な機構(フィードスルー)を取り付けた真空フランジを新たに製作し、当該試験用真空チェンバーに取り付けた。本試験の焦点は、真空中における超耐放射線電磁石運転時の、1:磁場、2:動作温度と冷却効率、3:水漏れなどの有無、の確認である。これらの測定のために必要な信号等の真空中への導入、及び真空中からの導出のために必要な機器類をも準備した。試運転は重大な問題なく成功した。その後、磁場の安定性のチェック並びに水漏れなどの有無の確認のために、長期運転を行った。その間にいくっかの改善策を実施した。
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