2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 養一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30214604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船戸 充 京都大学, 工学研究科, 講師 (70240827)
ミケレット ルジェロ 京都大学, 工学研究科, 京都ナノテククラスター博士研究員 (50397600)
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Keywords | 近接場分光 / 発光機構解明 / InGaNナノ構造 / 輻射再結合 / 非輻射再結合 / 局在励起子 / 時間空間ダイナミクス / バイオセンシング応用 |
Research Abstract |
サファイア基板(0001)面上にMOVPE法によって成長された横方向選択成長(ELO)GaNテンプレート層上に青色発光(470nm)アンドープInGaN単一量子井戸構造(SQW)を作製し,貫通転位と発光マッピングの関係の詳細を評価した。 原子間力顕微鏡(AFM)により観測した縦方向成長領域(Seed),横方向成長領域(Wing)における貫通転位密度は,それぞれ約3×10^8cm^<-2>,約3×10^7cm^<-2>であった。それぞれの領域の近接場光学顕微鏡フォトルミネッセンス(SNOM-PL)積分強度分布を見ると,貫通転位と発光強度の相関は観察されず(紫色発光InGaNでは明確な相関を観察),転位の有無に関わらず直径100〜200nm程度の島状の発光パターンからなることが分かった。さらに,弱発光強度領域と強発光強度領域の境界付近の発光スペクトルを見ると,強発光強度領域における単峰性スペクトルと異なり,高エネルギー側に肩やピークを持つスペクトル形状となっていることが分かった。 このことから,弱発光領域,およびその近傍において,ポテンシャルエネルギーが高くなっており,キャリアの拡散方向や拡散長が制限され,その結果として非発光中心への捕獲確率が抑制されているものと考えられる。この実験事実は,青色発光InGaNでは高転位密度にもかかわらず,高い発光効率が実現しているメカニズムを示しているといえる。このポテンシャル揺らぎの原因としては,一般に(i)井戸幅の揺らぎ,(ii)In組成揺らぎの2種類が考えられるが,AFMで平坦な表面が観察されていたことから,井戸幅揺らぎによって観察された100〜150meVのエネルギー差を実現するのは困難であり,In組成揺らぎの方が主因であると考えている。
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Research Products
(6 results)