2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18206002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川上 養一 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (30214604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船戸 充 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70240827)
ミケレット ルジェロ 京都大学, 工学研究科, 京都ナノテククラスター博士研究員 (50397600)
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Keywords | 近接場分光 / フォトルミネッセンス / 発光ダイナミクス / マルチプローブ技術 / 先進フォトセンシング / 窒化物半導体 / 量子ナノ構造 / バイオセンシング応用 |
Research Abstract |
本研究は,近接場光学顕微分光法(SNOM-PL)によって(1)InGaN/GaN系量子井戸のナノ領域での発光再結合過程を解明するとともに,(2)生体細胞の微小振動の近接場光学顕微鏡観察と生体機能解明へのアプローチについて大きな進展があった。具体的には, (1)については,緑色発光InGaN SQWにおける詳細なSNOM-PLマッピングを行い(i)混合転移の場所ではInリッチな領域が形成されており拡散によるキャリア集中の原因となる,(ii)ただしInリッチ領域は非発光再結合中心とリンクしており弱PLの起源ともなっている,(iii)緑色InGaN SQWは,非常に大きなピエゾ分極と励起子局在のために,輻射再結合寿命が約100nsと長い。このため拡散長は,場所によっては数100nm以上と大きく,非発光再結合中心への捕獲断面積を増強させている。InリッチInGaN成長による新たな非輻射再結合中心の導入(ミスフィット転位や点欠陥の生成)など解決すべき問題は多いものと考えられる。 (2)については,生体細胞は,心臓の鼓動に代表されるような周期的な振動や,擬周期的あるいは非周期的な振動などダイナミックな運動をしているが,これは細胞膜を通じた分子移動や情報伝達とも関連しているものと考えられている。従来このような微弱な振動を光学顕微鏡で観測することは困難であったが,近接場測定技術の開発によって縦方向で約0.1nmの空間分解能を達成し,生きた細胞のダイナミックスを測定することに成功した。その結果,微小振動のフーリエ解析によって,薬剤投与によるネクローシスおよびアポートーシス現象の解明などに有用な知見が得られた。
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Research Products
(5 results)