2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代パワーエレクトロニクスデバイス・機器のインバータサージ絶縁・評価技術の確立
Project/Area Number |
18206029
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
匹田 政幸 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 教授 (40156568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 健 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (10363409)
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Keywords | パワーエレクトロニクス / インバータサージ絶縁 / 繰返しインパルス / 部分放電 / シリコンカーバイト |
Research Abstract |
本研究では次世代パワーデバイスを用いたインバータシステム・モータにおける電磁障害(EMC)の評価および抑制手法の提案,インバータサージ下での部分放電(PD)現象解明と計測法の確立を目的とした。ガス絶縁媒体を用いたパワー半導体デバイスの高温・高電圧環境でのパッケージ手法を提案し,パワーデバイス用基板を用いてガスの種類,圧力,それらの450℃までのPD基礎的特性の実験調査を行った。使用したC_4F_8ガス媒体においてはガス絶縁パッケージに適用可能であることを示し,ガス絶縁パッケージの試作を行った。また,VJFETおよびMOSFET SiCデバイスのスイッチング特性の測定を200℃の高温領域まで行い,Siデバイスとの比較を行った。その結果,Si IGBTデバイスと比べて高速かつ低損失な特性が明らかとなった。さらに,SiCインバータの設計およびゲート駆動回路や保護回路を付加してSiCインバータ開発を行い,回転速度制御機能を付加してモータ駆動に成功した。また,開発したSiCインバータを600W級の電気自動車システムに搭載し,電気自動車の試作を行った。 インバータサージにおけるPDの自動計測システムを構築した。IEC61934TSで新たに提唱された繰返しPDIV(RPDIV)をエナメルツイストペア試料に対して,発光測定による光学的検出,狭帯域平面アンテナ電磁プローブおよびホーンアンテナによる電磁波検出を用いて測定評価し,比較検討した。その結果,上記の3つの検出法はいずれもns領域で十分な応答速度があり,さらにRPDIVがほぼ等しいことがわかり,RPDIVの標準的な測定法の提案に至った。また,RPDIVの温度・湿度効果の詳細データが取得された。特に相対湿度はRPDIV測定値に影響する最も大きな要因である。このメカニズムとして絶縁皮膜の水分吸収による誘電率増加や表面抵抗の低下として解釈した。
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