2009 Fiscal Year Annual Research Report
気候別アジア地域水田の温室効果ガス発生・吸収機構の解明と発生削減管理法の開発
Project/Area Number |
18208021
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
登尾 浩助 Meiji University, 農学部, 教授 (60311544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 勝 明治大学, 農学部, 教授 (20125991)
中野 恵子 農・生系特産技研, 環資部, 研究員 (40354089)
廣田 知良 農・生系特産技研, 生環部, 主任研究員 (20343949)
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Keywords | メタン / 亜酸化窒素 / 水田 / 簡易渦集積(REA)法 / 土壌環境 / 土壌細菌 |
Research Abstract |
水田からのCH_4の発生は湛水時に多く、落水とともに減少する。N_2Oの発生は湛水時にはほとんど無く、落水時に急激に増加する。また、水田からのCH_4、N_2Oの発生は土壌温度、土壌の酸化還元電位、有機物量などの環境条件による影響を受けていることが報告されている。稲作の盛んな地域は熱帯地方から冷温帯地方へと広がっており、それぞれの気候帯で環境条件が異なることが予想される。 REA法とチャンバー法との比較実験をタイ国カセサート大学カンペンセーン校内の実験圃場において行った。CH_4フラックスにおけるREA法とチャンバー法との比較を示した。今回の実験により、REA法とチャンバー法によるCH_4フラックスは良く一致し、REA法が水田において実用可能であることがわかった。イネの出穂開花期においてタイと平塚で、ガスの発生と吸収を比較した。出穂開花期においてCH_4のフラックスの平均値はタイの方が平塚よりも大きいことが観察された。タイのCH_4発生が平塚に比べて大きいのは、平塚に比べて地温が大きいために、土壌中のメタン生成菌の活動が活発となったことが考えられる。出穂開花期におけるN_2Oのフラックスの平均値は、平塚の方がタイよりも大きいことが観察された。出穂開花期において、水田土壌がタイに比べて平塚の方が環元状態であるにも関わらず、平塚の方がN_2Oの発生が大きくなった。このため、温室効果ガス発生に対する環境要因をより厳密に調査していく必要があると考えられる。 本研究の結果により、気候条件の違いにより、水田からの温室効果ガスの発生量は変化することが測定された。また、一つの原因として農法や管理法の違いであることが示唆された。農耕地からの温室効果ガス発生を削減していくにあたって、気候条件・環境条件の違い、農法や管理法は非常に重要な要素であると考えられる。
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Research Products
(9 results)