2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18208029
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40165056)
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Keywords | 受精 / 子宮 / 輸卵管 / 精子機能 / マウス |
Research Abstract |
雌性生殖器での精子機能制御に関する研究を行い、次のような成果を得た。 (1)マウス子宮での精子受精能獲得の分子機構に関する研究:マウス子宮上皮細胞から分泌されている精子受精能獲得に関与する因子の同定を目的として、分泌液中のタンパク質をビオチンラベル化し精巣上体精子との相互作用を調べた。その結果、40と32キロダルトンのタンパク質が精子表層へ強固に結合することが明らかになった。これらの因子は血清や肝臓抽出液に含まれず、卵巣由来でないことも明確にした。 (2)子宮から輸卵管への精子移動制御機構に関する研究:精子膜タンパク質Adam3やAdam5が欠損すると、子宮から輸卵管へ精子が移行できなくなる。酵母ツーハイブリットシステムを利用して、これらのAdamタンパク質と結合する分子を3個同定した。現在、同定したタンパク質のAdam3あるいは輸卵管分泌シグナル分子との相互作用を調べている。 (3)輸卵管での精子接着・離脱の分子機構に関する研究:マウス輸卵管上皮細胞の細胞外マトリックスタンパク質Sdk1と2に関して、精子との結合能を調べた。その結果、Igドメインが結合に関与していることが明確になった。現在、Sdk2と結合する精子タンパク質の同定を試みている。 (4)精子と卵子の相互認識応答の分子機構に関する研究:Tesp5やPh20、Hya15欠損マウスを利用して、精子の卵丘細胞層通過、透明帯結合、および透明帯通過の諸過程での配偶子間相互認識応答の分子機構を調べた。精子の卵丘細胞層通過にヒアルロニダーゼは必須ではなく、精子の透明帯結合能も受精での重要なファクターでないことを示唆する結果が得られた。また、精子と卵子の融合にはアクロソーム反応が必須であるが、透明帯通過では必須とはいえないことを示唆する結果も得られた。
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[Journal Article] Sperm penetration through cumulus mass and zona pellucida.2008
Author(s)
Kim, E., Yamashita, M., Kimura, M., HOnda, A., Kashiwabara, S., and Baba, T.
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Journal Title
Peer Reviewed
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