2008 Fiscal Year Annual Research Report
健康・医療情報の適切な創出・伝達・利用を促進する社会的基盤整備に関する研究
Project/Area Number |
18209018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中山 健夫 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (70217933)
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Keywords | 医療制度 / 医療情報 / インターネット / 医療機能 / ヘルスリテラシー / 教育・啓発 / プログラム |
Research Abstract |
平成18年度からの国の医療制度改革で、「患者の視点に立った、安全・安心で質の高い医療が受けられる体制の構築」が掲げられ、「医療情報の提供による適切な医療の選択の支援」が行動目標として定められた。本研究では制度改革の趣旨の実行状況を、都道府県による情報提供の視点から評価した。各都道府県のサイトにインターネットでアクセス、トップページから該当する病院・診療所等の医療機能情報の有無を調べた(調査期間:平成20年4月1日から5日)。平成19年度から制度運用が始まった医療機能情報提供制度に関して、都道府県は平成20年度中に、詳細情報を含めた情報提供を開始する必要があるが、その程度には大きな差があった。情報へのアクセスビリティは、都道府県のトップページから分かりやすく案内されているところもあれば、当該情報の発見が困難な自治体サイトもあった。診療科目や地域別の検索機能以外に、地図登録やかかりつけ医登録の機能を付与するなど、関連サービスの地域差も大きかった。医療機能情報ページからリンクされた医療計画に関するページで、医療計画に関する説明があり、疾病・事業ごとの医療機能を担う医療機関一覧まで提供されているところは、7都県のみであった(平成21年1月)。神奈川県は医療計画での機関名と医療機能情報をリンクし、利便性を向上させていた。以上と並行して、NPO法人インターネット医療協議会が開発したEヘルス倫理コード(コンテンツ、コミュニケーション、ケア、サービス、コマース、プライバシーの6領域で構成)version2の英語版を開発した。ユーザー数の多い一般向け健康・医療関係サイト(http://www.qlife.co.jp/)において、イラストレーションとストーリを組み合わせたヘルスリテラシー向上プログラムのパイロット版を作成した。コンテンツとユーザビリティを向上させた後、2009年度に介入研究を実施し、本プログラムの有効性、受容性を評価する予定である。
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