Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟橋 和夫 龍谷大学, 社会学部, 教授 (80081173)
宮川 修一 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60115425)
岡本 耕平 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (90201988)
加藤 久美子 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80252203)
西村 雄一郎 愛知工業大学, 工学研究科, ポストドクトラル研究員 (90390707)
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Research Abstract |
東南アジア大陸部に位置する天水田農業を主体とした不安定な自然環境における平原地帯の自給的な農村における,多品種の稲や植物,魚介類や昆虫など様々な動植物資源の栽培・採集・販売などの複合的な資源利用の実態とその変化の態様,成立条件を東北タイドンデーン村とラオスのヴィエンチャン平野ドンクワイ村の2つの村落の比較と,カンボジアの平原地域のエクステンシヴ踏査から学際的陣容で実証的に明らかにしようとした。その分析資料から,東南アジア平原地帯に共通する複合的資源利用の特徴を明らかにし,グローバルな市場経済の影響下におけるこの地域の複合的な資源利用の持続性について検討した。さらに異なる生物資源利用の相互関係と,多様化する就業形態と資源利用との相互補完関係を分析する新たな理論的枠組みを構築するための議論をフィールドでの議論の中から創り出そうと試みた。次年度に国際シンポジウムと論集出版を日本で予定している。 その内容は住民の生業活動,資源利用,農業生産,食料・栄養調査,村落経済における非農業部門の貢献度調査,立地形成に寄与する自然環境調査,開田史と塩採取,村落社会における学校経営における資源利用の変化などであり,GISやGPSを用いての経年的な変化の空間分析を行った。基本的には各人,あるいは調査グループごとに両地域で調査し,いくつかの著書・論文に結実した。 2009年3月には9名の研究分担者とメコン委員会,地元NGOの協力を得て,タケオ周辺の氾濫原稲作地帯,トンレサップ湖縁辺の深水稲地域の生業,作付け体系の変化,漁業・野生植物資源について,カンボジア農業省研究員とも意見交換をした。今後の方針として,共通のチェック項目や実質的な比較の視点の重要性を確認した。
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