2006 Fiscal Year Annual Research Report
トランスナショナリズムと「ストリート」現象の人類学的研究
Project/Area Number |
18251015
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
関根 康正 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40108197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 雅一 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (60142014)
松本 博之 奈良女子大学, 文学部, 教授 (70116979)
小馬 徹 神奈川大学, 人問科学部, 教授 (40145347)
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
小田 亮 成城大学, 学芸学部, 教授 (50214143)
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Keywords | 文化人類学 / 民族学 / 文化研究 / トランスナショナリズム / ストリート文化 |
Research Abstract |
今年度は代表者および分担者のうち5名が、また研究協力者6名の合計11名が本科研課題に関する国内外の現地調査を行った。それぞれが、グローバル化する世界のなかでの近代の徹底化を足もとから問い直そうとしており、とりわけ西欧型近代化の限界問題を考える格好の場所としてストリート(現象)にアプローチしている。 研究代表者関根康正は、イギリスの南アジア系移民社会の生活空間の構築を検討し、本科研が意識的に取り上げる二重の次元のストリートを探索する。トランスナショナルな交通としての移民現象という次元のストリートに加えて、そこでの場所としての物理的なストリート空間の役割を現地調査で解明を試みた。研究分担者のトム・ギルは、イギリスでのホームレス問題からストリート現象にアプローチした。ロンドン、リバプール、オックスフォードという、イギリスの膨大なホームレス支援システムを三ヶ所の都市で体験的に調査し、比較資料を蓄積でき大きな成果をあげられた。加藤政洋は沖縄那覇市において、戦後の那覇と大阪でほぼ同時期に形成された売春街を例に取り、比較検討した。そこからヘテロトピア的ストリート性が浮かびあがってきた。玉置育子は東京での化粧文化研究の資料収集後に、台北において化粧に関する現地調査を行った。主として火傷患者のリハビリ及び社会復帰への支援として化粧を施すこと実践を見聞し、見られる場、みせる場であるストリートというアリーナの基礎資料を蓄積した。近森高明はパリ・ベルリンにて街路の利用形態を対象とする実地調査を行った。パリでは、歴史的建造物の作るストリートであるパサージュが、現在種々に転用されている状況を調査した。ベルリンでは、W・ベンヤミンの描いた1900年前後のベルリンの地誌を下敷きに、記憶の保存と抹消の共存という特異な都市的記億の構成をストリートにおいて考察する資料を収集した。 6人の研究協力者は北西インド、西ティモール、カンボジア、南ドイツ、ミャンマー、チリにおいてそれぞれ現地調査を進めて基礎資料を収集し、ここでは詳述できないがストリート現象への新たな着眼点を得た。 このようにトランスナショナリズムと「ストリート現象」について多岐にわたる地域と主題が扱われ、初年度に相応しい実績の蓄積がなされたことにより、来年度以降の具体的展開に確実な足がかりを得た。
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Research Products
(24 results)