2007 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア地域における消費社会化と都市空間の変容に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
18251016
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
三尾 稔 National Museum of Ethnology, 民族社会研究部, 准教授 (50242029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 良男 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (60148294)
高田 峰夫 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80258277)
八木 祐子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (70212272)
外川 昌彦 広島大学, 大学院・国際協力研究院, 准教授 (70325207)
森本 泉 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (20339576)
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Keywords | 文化人類学 / 南アジア研究 / 都市研究 |
Research Abstract |
研究代表、研究分担者12名に、6名の研究協力者を加え、共通の課題として「都市の基層構造の地域性」、「より広域的な社会空間における都市の意味」、「現代南アジアにおける都市の変容をもたらす要因とその影響」を設定しつつ、各自がそれぞれのフィールドで調査を行った。今年度の研究によって明らかとなってきた論点は以下の通りである。 1基層構造において南アジアの諸都市の差異を決定づける要因としては、都市の形成プロセスにおける権力(王権か近代権力か。また王権ならばヒンドゥーかイスラームか)との関わり、及び都市と宗教との関わりのあり方(当該都市におけるドミナントな宗教、中心となる宗教施設)が上げられる。これが南アジア北部と南部といった地域性とあいまって、南アジアの都市の多様性を作り出している。 2都市のより広域的な地域との連関を作り出してきた要因が次第に明らかとなっている。主な要因は、王権、カーストや職人のネットワーク、宗教施設のネットワークなどである。 3都市内部のローカリティを形成する要因についての研究も進展した。ここでも宗教施設が重要な役割を果たしており、街区の宗教人口構成の差異が街区の様相の差異をも決定づけることが実証された。またローカリティの変容プロセスを、近代以降の文書や地図資料と現代のフィールド調査を突き合わせながら実証的に探究する研究もムンバイやヴァーラーナシーなどいくつかの都市で進められた。 4現代都市のローカリティの変容をもたらす要因としては、移住(国内での移動、国外への移民の帰国)、経済格差と学区編成、住民運動(環境問題等)などが注員され、これらが住民の意識や行動、都市空間のあり方に及ぼす影響について実証的な調査が進められた。
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Research Products
(35 results)