2006 Fiscal Year Annual Research Report
環太平洋ネットワーク観測による宙空領域へのエネルギー・物質流入過程の研究
Project/Area Number |
18253005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
湯元 清文 九州大学, 宙空環境研究センター, センター長 (20125686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 英昭 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (60304721)
吉川 顕正 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (70284479)
瀬戸 正弘 東北工業大学, 工学部, 教授 (60085412)
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80226092)
宗像 一起 信州大学, 理学部, 教授 (40221618)
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Keywords | 宇宙天気 / 極域擾乱 / 赤道域ネットワーク / 物質・流入過程 / 宙空環境変動 / 環太平洋地磁気ネットワーク観測 / 太陽風変動 / CAWSES / IHY |
Research Abstract |
21世紀に入り、人類の生活圏が宙空(磁気圏-電離圏-大気圏)領域に拡大するにつれて、太陽面爆発に伴う放射線の飛来、宇宙デブリ(ゴミ)、さらに磁気嵐による電磁プラズマ粒子擾乱など、通信・放送・気象観測・GPS測地などの宇宙機への災害が深刻に懸念されている。このような宇宙災害を最少にし,安心・安全な社会基盤の確保の為に宙空領域の電磁プラズマ粒子環境変動をグローバルに捉え、そのメカニズムを究明する為の観測的基礎研究が緊急の課題になっている。本研究では、既存のシベリア、日本、東南アジア、オーストラリア、メキシコ、北米の環太平洋域の観測点と東南アジア、インド、アフリカ、ブラジル、ペルーの経度の隔たった磁気赤道沿いの観測点からなる環太平洋地磁気ネットワーク(CPMN)に、新たなリアルタイムデータ収集システム(MAGDAS)、電離層電場観測レーダ、リオメータ、宇宙線計等を有機的に組み合わせた、全地球的規模の準リアルタイム環太平洋ネットワーク観測網の完成とそれを用いた「宇宙災害予測」に向けた海外学術調査を実施した。本年度は実施計画に従って以下の調査研究を行った。 1,磁気赤道に位置するブラジルのサンルイス、ペルーのアンコン、アフリカのエチオピア、ナイジェリア、コートジボアールと西太平洋の多点でのグローバルモード電磁擾乱や南米での高エネルギー粒子異常流入の同時観測のため磁力計、宇宙線計の予備観測を行なった。 2,西太平洋の磁気赤道付近に位置するヤップ、フィリピン(セブ、ダバオ)、マレーシア(ランカウイ)の赤道ジェット電流と地磁気・ULF波動の定常観測、さらに情報通信研究機構の電離層レーダとの共同観測を実施した。 3,ロシアのヤクーツク宇宙物理研究所との共同で、オーロラ帯のチキシー、チョコラダーク、コテルニー島、並びにカツビューで光学・電磁環境の予備調査を行い、オーロラ嵐や太陽風変動に伴う電磁場変動の観測研究を始めた。 4,ロシアのカムチャッカの宇宙科学研究所との共同で、パラッンカ及びマガダンで電磁環境の調査を行い、中緯度での地磁気・ULF波動の同時観測を継続実施した。又、新たな光学共同観測についての可能性についで現地調査した。 5,空洞共鳴振動モードの特異点となるプラズマポーズ付近のシベリアのズリヤンカで磁場観調査を行なった。 6,カムチャッカのパラッンカに新たなFM-CWレーダを設置し、その磁気共役点である、オーストラリアのキャンベラ郊外地、母子里とその磁気共役点のバーズビルで地磁気変動の予備観測を行なった。 7,オーストラリア東海岸沿いの地磁気多観測点やタスマニアのミューオン計の機器点検・調整並びに更新を行った。 8,インドネシアのマナド、パレパレ及びクパンの3観測点での地磁気・ULF波動の観測を行った。 9,人工衛星計画との組織的共同観測のための打ち合わせと衛星データ収集について、UCLAで研究打合せを行った。 10,IHY国際会議等で発表し、情報交換や共同研究についての検討を行った。
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