2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18255004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大場 秀章 東京大学, 総合研究博物館, 名誉教授 (20004450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 博 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (30299177)
藤井 紀行 首都大学東京, 理学研究科, 助手 (40305412)
能城 修一 森林総合研究所, 木材特性研究領域, チーム長 (30343792)
大森 雄治 横須賀市自然・人文博物館, 学芸員 (10150210)
秋山 忍 国立科学博物館, 植物研究部, 主任研究員 (50196515)
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国:ネパール / 分類学 / 系統進化 / 植物相 / 種多様性 / ヒマラヤ / 高山 |
Research Abstract |
高山に発達する植物相の多様性や環境との関連を研究するうえで、世界最大の山脈であるヒマラヤは最適なフィールドである。日本には1950年代以来の研究蓄積もあり、分析には過去に蓄積された標本資料も活用することができる。こうしたことを背景に、今年度は従来野外での研究が手付かずであったチベット高原側の中国青海省に属する地域と、長年調査を行なってきたネパールで現地調査を実施した。 青海省、ネパールともに現地では、GPSで緯度、経度、高度を測定し、アスマン温湿度計などを用い環境条件を把握するための緒測定を行い、調査地域に見出された高等植物全種について、生育状況を調べ、標本として採集した。ユキノシタ属(ユキノシタ科)、キジムシロ属(バラ科)、トウヒレン属(キク科)、メコノプシス属(ケシ科)、ウメバチソウ属(ウメバチソウ科)などについては、分子遺伝学や細胞遺伝学的な解析に用いる試料を野外にて収集した。 収集した標本・試料とこれまでに蓄積された標本などを用いて、分類学的分析を行った。ウメバチソウ属については従来ネパールからは報告がなかったParnassia trinervis,ネパール・ムスタン地方でのParnassia kumaoicaの特異な変異を解析した。トウヒレン属では雲南・四川省・チベット東部に及ぶ横断山脈産のトウヒレン属全種の実態を明らかにし、ネパールから記載したSaussura bhutkeshがチベットにも分布することを報告した。メコノプシス属では新たに収集した標本にもとづいて従来の分類学的見解を正した。これらの成果を論文として発表した。 ヒマラヤ山脈の4000mを超える亜氷雪帯での植物の暮らしやそこでの特異形態をした植物について紹介する報文を発表した。
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Research Products
(6 results)