2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯泥炭湿地林でのCDM植林を含む総合的環境修復を可能にするための基礎研究
Project/Area Number |
18255008
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高瀬 恵次 Ehime University, 農学部, 教授 (90133165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 竜一郎 四国学院大学, 社会学部, 准教授 (10412412)
二宮 生夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (80172732)
市榮 智明 高知大学, 農学部, 准教授 (80403872)
桜井 克年 高知大学, 農学部, 教授 (90192088)
田中 壮太 高知大学, 大学院・黒潮圏海洋科学研究科, 助教 (10304669)
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Keywords | 環境政策 / 環境対応 / 気候変動 / 生態系修復・整備 / 森林工学 / インドネシア / 泥炭湿地林 / CDM |
Research Abstract |
1.泥炭蓄積モデルの発展と検証:熱帯泥炭からの炭素放出量に影響を与えると考えられる地下水の調査を行った。泥炭地の地下水に含まれるCO_2・CH_4の量は、熱帯泥炭に含まれる温室効果ガス量としては、驚くほど少ない値であった。これらの原因としては1)熱帯泥炭自体が何らかの機構により温室効果ガスが生成しにくい、2)低撹乱泥炭においても、過去に排水がなされており、泥炭の分解が進行して難分解性画分のみが残存しているための2つが考えられた。 2.湿地林で使える多変量アロメトリー式等の提出:単木の器官別バイオマス式を調製した。本調査で得た結果はパランカラヤ大の実測値と一致し、質・量ともに十分なデータに基づくアロメトリー式が得られた。 3.温室効果ガス収支の水位・植生依存性:泥炭湿地林の開発が樹木の形態や生理に与える影響を評価することを目的に現地調査及び試料の採取を行った。その結果、開発により水位が低下した泥炭湿地林では、開発の入っていない場所に成育した個体より有意に厚い葉をつけることがわかった。 4.硫酸酸性地帯の土壌・水質改良:泥炭の農地としての利用が土壌生態系に及ぼす影響を評価することを目的に、自然林、二次林、火災荒廃地、排水造成された農地について現地調査・土壌試料の採取を行った。農地では、泥炭の焼却灰や多量の化学肥料が施用されるなど集約的な管理が行なわれていたが、泥炭の脱水・収縮や有機物分解による地表面の沈下が顕著であり、土壌酸性は強く、施用された養分のかなりの部分が流亡により失われていることを明らかにした。 5.効果的な水位回復工事に必要な水文学的研究:水位回復工事についての資料収集をおこなった。 6.リーケージ(社会的悪影響)を回避する方法の開発:統計局、森林局・農業局などの役所での聞き取り調査や基本的な資料収集および村落での概況調査などを行った。
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Research Products
(5 results)