2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯泥炭湿地林でのCDM植林を含む総合的環境修復を可能にするための基礎研究
Project/Area Number |
18255008
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高瀬 恵次 Ehime University, 農学部, 教授 (90133165)
|
Keywords | 環境政策 / 環境対応 / 気候変動 / 生態系修復・整備 / 森林工学 / インドネシア / 泥炭湿地林 / CDM |
Research Abstract |
1.泥炭蓄積モデルの発展と検証:熱帯泥炭湿地林において、泥炭の重要な構成要素となる材(Palaquim burckii)を用いて、野外分解実験を行った。その結果、分解速度は表層で速く、地下部で遅かった。また、地下部の材の重量減少の大部分は体積の減少ではなく密度の減少に起因していた。 2.湿地林で使える多変量アロメトリー式等の提出:前年度に実施した標本木破壊バイオマス測定の結果に基づいて調製したアロメトリー式が、パランカラヤ大による同一地域内の多数の樹種で調製した式と差が無いことが確認できたまた、固定プロット悉皆調査結果に基づく直径階別本数分布から、排水域と非排水域の差異、および排水域における水位低下域とダム建設による水位回復域との差異が読み取れた。 3.温室効果ガス収支の水位・植生依存性:水位調節を行っている湿地林(Kalampangan)と行っていない湿地林(Setia Alam)における樹木の葉の硬さ厚さ、防御物質(フェノール,タンニン)含有量、窒素含有量の違いを調べた。その結果、前者の個体が後者の個体よりも、厚く、硬く、総フェノール量の多い葉をつけていた。 4.硫酸酸性地帯の土壌・水質改良:中央カリマンタン州北部の丘陵地で農地としての利用や森林荒廃の状況について,土壌肥沃度の面から検討を行い,得られた知見を2007年度に行った泥炭湿地の研究結果と比較することにより,泥炭湿地の農業利用に関する問題点や展望を考察した. 5.効果的な水位回復工事に必要な水文学的研究:水位回復工事についての資料収集をおこなった。 6.リーケージ(社会的悪影響)を回避する方法の開発ボルネオ/カリマンタン島の他の地域-マレーシア・サラ ワク州、及び、インドネシア・中央カリマンタン州・東カリマンタン州・北スマトラ州において森林管理の政策策定や実務に携わる人々と、小規模なワークショップを開催して意見交換を行った。
|
Research Products
(7 results)