2007 Fiscal Year Annual Research Report
新旧両大陸のリーシュマニア症とその伝播および病態生理に関する研究
Project/Area Number |
18256004
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
橋口 義久 Kochi University, 医学部, 教授 (10037385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上里 博 琉球大学, 医学部, 教授 (60160157)
三森 龍之 熊本大学, 医学部, 教授 (00117384)
加藤 大智 山口大学, 農学部, 准教授 (00346579)
山本 雄一 琉球大学, 医学部, 助教 (00363672)
是永 正敬 高知大学, 医学部, 准教授 (00128274)
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Keywords | リーシュマニア症 / ウタ症 / 伝播疫学 / サシチョウバエ / エクアドル / ペルー / パキスタン / バルトネラ症 |
Research Abstract |
研究目的:新大陸及び旧大陸に分布するリーシュマニア症の伝播・疫学並びに病態生理を明らかにし、本症の医学生物学の発展と予防対策に寄与する。研究実施計画:平成19年度はエクアドル、ペルー及びパキスタンにおいて前年度からの継続調査を実施した。研究成果の主な内容:1)エクアドルとペルーのアンデス高地に分布する皮膚リーシュマニア症(Uta症)について比較研究した結果、両国間では疫学・病態生理面で大きな差異が認められることが初めて明らかになった。得られた研究結果に基づき、ペルーのウタ症"Peruvian uta"に対し、エクアドルの病型を"Ecuadorian uta"と称すべきことを初めて提唱した。2)エクアドル及びペルーの流行地において、媒介サシチョウバエ種や自然感染原虫種の決定を分子レベルで実施できる手法を開発・確立した。3)南米型、特にアンデス高地型リーシュマニア症の臨床症状を比較解析した。4)リーシュマニア症とバルトネラ症はサシチョウバエによって媒介されるが、これらの感染症が同所的に分布する地域で疫学情報を収集し、今後の調査計画に役立てた。5)パキスタンのリーシュマニア症について文献調査を試み、同症が同国北部から南部にかけて分布拡大していることを指摘した。研究の意義及び重要性:上記1)〜3)はリーシュマニア症の医学生物学に大きく貢献する事項として高く評価されるとともに、本症の診断・治療・対策面でも多くの重要な新知見を提供した。また、パキスタンにおけるリーシュマニア症の流行拡大については、その要因を解明し、拡大阻止対策が急がれることを指摘した意義は大きい。
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Research Products
(14 results)