2007 Fiscal Year Annual Research Report
一般化エントロピーの数理による、ベキ分布にしたがうデータの情報生成構造の解明
Project/Area Number |
18300003
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
須鎗 弘樹 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 准教授 (70246685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 達明 茨城大学, 工学部, 講師 (00240549)
塚田 真 東邦大学, 理学部, 教授 (10120198)
阿部 純義 三重大学, 大学院・工学研究科物理工学専攻, 教授 (70184215)
柳 研二郎 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90108267)
古市 茂 山口東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (50299327)
|
Keywords | Tsallisエントロピー / 一般化エントロピー / エントロピー最大化原理 / 一般化Faddeevの公理系 / Bregmanダイバージェンス / Superstatistics / 複雑ネットワーク / 変分不等式 |
Research Abstract |
(1)Tsallisエントロピーを平均符号長の下限にもつ符号木を導いた。 (2)q-多項係数を拡張した一般化多項係数とTsallisエントロピーの間の一意な関係を導き,その特別な場合として,Tsallis統計力学の代表的な4つの数理構造が現れることを示した。 (3)Tsallisエントロピーの数理であるq-積からガンマ関数の一般化を行った。 (4)古典系における一般化Faddeevの公理系を利用して,量子Tsallisエントロピーの一意性定理の証明した。また,量子Tsallisエントロピーがvon Neumannエントロピーの拡張であることに着目し,Fannesの不等式を一般化し量子Tsallis エントロピーの連続性を示した。 (5)Tsallisエントロピーとは異なるタイプの1パラメータ拡張であるκエントロピーの最大原理を基礎づける非線型Fokker-Planck方程式を求め,その自己相似解の時間発展を特徴づけるLyapunov関数とBregmanダイバージェンスとの関係を明らかにした。 (6)quantum Tsallis entropyの連続性を保証するある種の不等式を求めた。これはFannes's inequalityの拡張でもある。MA(1)stationary Gaussian channelの容量がKIMによって求められたが,これを用いて容量に関する種々の不等式が成り立つかどうかの検証を行った。 (7)一般化エントロピーに関連するベキ則分布に従う複雑系の熱統計力学の基礎的研究およびその地震活動解析への応用について研究した,Superstatisticsを条件付き概念量に基づいて定式化し,温度揺らぎの理論的計算を可能にした。また,一般化エントロピーに関する最大エントロピー原理輝熱力学的法則と無矛盾であることを証明した。地震の複雑ネットワークおよび余震のダイナミクスに関する応用研究も行なった。 (8)Shannonエントロピー,Tsallisエントロピーを含む一般化されたエントロピーについて変分不等式を用いてエントロピーを最大にする分布の特徴付けを行ない,Gauss分布やTsallis分布を導出し,従来からあるLagrandge未定乗数法による議論を精密化した。特に,Tsallis分布についてはカットオフを用いた数学的にはあいまいな議論を修正した。更に,非可換(量子)確率論の枠組みでも議論した。
|
Research Products
(48 results)