2007 Fiscal Year Annual Research Report
カニクイザル・テーラーメードES細胞を用いた移植医療モデルシステムの構築
Project/Area Number |
18300140
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
鳥居 隆三 Shiga University of Medical Science, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 英明 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教 (10378440)
高田 達之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 准教授 (90206756)
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Keywords | カニクイザル / 体細胞核移植 / テーラーメードES細胞 |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続いて卵胞刺激処理により採取された卵子の体外成熟培養について,とくに卵管由来細胞との共培養やEpidermal growth factor(EGF)濃度,可溶化羊膜デッィシュ等について検討を行った結果,カニクイザル体外成熟培養には卵管由来細胞との共培養や可溶化羊膜コーティングディッシュが有用であり,EGFは未成熟卵子のMI期からMII期への成熟に有用であることを確認できた。さらに顕微授精後の発生は約22%の割合で胚盤胞期胚まで発生することを確認できた。 2.カニクイザルにおけるテーラーメードES細胞樹立を目的とした体細胞核移植法は,昨年度は胚盤胞期胚への作製には成功したが効率は極めて悪いことから,その基礎となる核移植操作に用いる試薬および操作が胚盤胞期胚への発生率にどのような影響を及ぼしているかを検討することを目的とし、卵子に様々な条件,操作を加え,胚盤胞期胚への発生過程に及ぼす影響について単為発生胚を用いて比較検討した。その結果,除核の際のDNA染色液(ヘキスト33342)の影響や体細胞核移植の際の卵細胞膜を破る操作の影響はないことを確認するに至り,体細胞核移植の発生率を改善させるためには他の原因の検索を行うこと必要が生じた。次年度はさらなる検討を行う予定である。 3.上記のように核移植胚の胚盤胞期胚への発生確率が低いことから,2006年にマウスやヒトで行われた単一細胞生検を使ったES細胞株樹立方法をカニクイザルに応用すべく,4-8細胞期胚の単一の割球からES細胞の樹立を試みた。顕微授精由来の4細胞期胚の単一割球をマウスフィーダー細胞上でACTH添加ES培養液を用いて培養した結果,ES細胞株を樹立することにカニクイザルでは世界で初めて成功した。これらは3か月以上未分化なまま増殖能を維持しており,正常な核型と多分化能のマーカー(Oct-4,SSEA-4,TRA-1-60,TRA-1-81およびALP活性など)の発現を示した。この方法を用いて次年度は,体細胞核移植胚を用いて初期胚からのES細胞株の樹立を試みる予定である。
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Research Products
(21 results)