2008 Fiscal Year Annual Research Report
カニクイザル・テーラーメードES細胞を用いた移植医療モデルシステムの構築
Project/Area Number |
18300140
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
鳥居 隆三 Shiga University of Medical Science, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 英明 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教 (10378440)
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Keywords | カニクイザル / 体細胞核移植 / テーラーメードES細胞 |
Research Abstract |
1)カニクイザルの体細胞核移植胚からのES細胞樹立の検討 今まで行ってきた通常の核移植法は、未受精卵子の核を取り除いた後にドナーとなる細胞核を注入し発生刺激を与える方法である。今回はこの核移植法に改良を加え、細胞核を注入後レシピエント卵子の核を取り除き、発生刺激を与えるという従来の方法を検討した。その結果ドナー細胞として、胎子由来線維芽細胞を用いた時の胚盤胞期胚への発生効率は47.6%と極めて高い率を示したが、マウスでより効率の良いといわれているES細胞を用いた場合は6.5%と低い率に終わった。また何れにおいても胚盤胞期胚からのテーラーメードES細胞株の樹立には至らなかった。以上のことから、カニクイザルでは、体細胞核移植胚からのテーラーメードES細胞株の樹立は極めて困難であることを確認した。 2)良質の体細胞核移植クローン胚作製のための未受精卵子の獲得方法 核移植法によって作製されたクローン胚からのES細胞樹立が極めて難しい原因の一つとして、卵巣刺激によって得られる成熟未受精卵子の品質を改良する試みを行った。従来はFSH製剤を連日同量を筋肉内に投与してきた。その結果、個体間のバラツキが大きく、得られるMII期(第二減数分裂中期)の卵子の数が少なくかつ品質が安定しなかった。これに対して、マイクロポンプを皮下に埋設し、連続して一定量を投与する方法、さらに途中から量を増加させる方法によって、MII期の卵子数は増加しかつ安定したと共に、顕微授精による胚発生は大きく改善されてきた。今後この卵子を用いて、クローン胚作製とES細胞樹立を試みてゆく予定である。 3)さらに体細胞核移植された再構築胚の発生過程をより詳細に分析する必要があると考え、次年度に検討を加える予定である。
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Research Products
(14 results)